|
【演奏感で楽器を選ぶ】
ヨォルングのイダキ奏者たちは一体どういう基準で楽器を選んでいるんでしょう?その答えを知るには彼らが使っている楽器を見せてもらうのが一番。彼らが使っている楽器の中には色んなタイプの楽器があり、中には音量・サウンド・演奏感どれもヤバいっていう楽器もありましたが、それはほんの一部という印象で、出音うんぬんよりもとにかく「長く楽に鳴らせる演奏感かどうか」という部分だけは共通しているんじゃないかなと感じます。
ヨォルングのイダキ奏者で自分のイダキを複数持っている人ってほとんど見かけない。そうすると日がな続く葬儀では、ほぼ1本の楽器で何時間も演奏し続けることになります。であればこそ、そのイダキが「長く楽に鳴らせる演奏感かどうか」は彼らにとって重要なポイントになるのは、ごく当たり前な気がします。
ぼくたちは自然に出音のクオリティや音量中心で楽器を選びがち。それだと自分の好みに限定されて、いつまでたっても彼らと近い演奏感になっていくのは難しい。彼らと同じ目線に立って、彼らのイダキの演奏感ってどういうものなのか探っていけば、その地平に自分の感覚をポーンと越えたものに出会える。
【Djimiyan Garawirrtja】F/G ・132cm/3.8kg・3.2-3.7cm/7.6-9cm
 GupapuynguクランのDjimiyan GarawirrtjaのプライベートMandapul(イダキ )。音量が大きいとか音質がいいという突出した要素はないものの、ナチュラルでフラットな非常にスムーズな演奏感が光る。[Used扱い] |
【作者不明】G--/G#・124.8cm/1.7kg・3.5-3.6cm/6.8-7.6cm

オープンな空洞で大きめのマウスピース、1.7kgと軽く薄手で長く演奏するためにギリギリまで削ってあり実践的な目的で作られ、何重にも巻かれて使いたおされていて気に入って使っていたことが伝わるMandapul(イダキ)。 |
【Lirrpiritj Gondarra】F/A・124.6cm/2.8kg・2.8-3cm/7-7.6cm
 |
66,000yen |
1.7kgと薄く軽く作られていて、出音は重く深く鳴らすことができる。小さなマウスピースで初心者でも鳴らしやすいが、ハードタング的な舌のパワーは必須の実践的でパワフルなMandapul(イダキ)。 |
【Ngongu Ganambarr】F--/F-- ・144.5cm/3.3kg・2.8-3cm/8.1-8.8cm
 |
121,000yen |
舌の動きがそのまま出音に反映されるダイレクト・サウンド、その重たいサウンドがラウドにパワフルに鳴る。引き込むような演奏感で鳴らすことができれば、重たさそのままにパワフルに激しく鳴る! |
【Wapurrpurr Wunungmurra】F++/G#・128.5cm/1.9kg・3.6cm/7.7-8.9cm
 |
132,000yen |
フルレンジで鳴るファットサウンドで大きなマウスピース。典型的なビッグマウスなオープン・ファット系のMandapul(イダキ)。ビギナーにとってはチャレンジングな要素たっぷり、熟練者には技量を発揮できるファン・ファスト・イダキ! |
【Wuduku Larry Gurruwiwi】F#+/G--・140.5cm/3.3kg・2.6-2.9cm/9.3-9.6cm
 |
110,000yen |
やわらかく分厚く重くディープに鳴る「F#+」というピッチを感じさせない音質が大きく響く。父のDjalu'の作風を思わせる深みのある演奏感に、「2.6-2.9cm」という小さなマウスピースが現代のイダキ・マエストロLarry Gurruwiwiらしさを感じるMandapul(イダキ)。 |
|