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クラップスティック作りをやってみるとその大変さに驚かされます。まずディジュリドゥのように中空になっていないのと硬質な木が使われるので、斧が弾き返されてカットするだけで一苦労です。そして、水に沈むと言われている比重の重いアイアンウッドなどはカットした後その木片をかついでブッシュを歩くのも大変です。
木の硬質さゆえに成形するのもハードで、アイアンウッドはみがくとその粉末に毒性があるために目から涙、鼻からは滝のように鼻水が.....。機械でサッサと作られるイメージとは真逆のハードさがクラップスティック作りにはあります。
クラップスティックの楽器としての文化的地位の高さと製作の大変さが、現地での入手の難しさにつながっているんじゃないかなと感じます。同時に、きっちりと作られたクラップスティックにはある種のパワーを感じさせるような何かがあるように思えてなりません。
Avalon SpiralではWilliam Parmbukのミンガ、Colin Worunbu Fergusonのミンガを各ワンセットづつを同時販売していますので、下記リンクからぜひご覧ください。
【Colin Worunbu Ferguson】
area : |
Wadeye / Belyuen |
wood type : |
Iron wood |
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small : |
31.5cm/177g |
large : |
26.6cm/452g |
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Wadeyeコミュニティを代表するWANGGAダンスソングのソングマンColin Worunbu Fergusonが作ったMinga(クラップスティック)を、ダーウィンに来たヨォルングが林靖典から借りて使い、きちんと戻ってきたといういわく付きの作品。
片方のスティックが細く、もう片方が薄手なせいか、よりライトで澄んだ金属音に響き、北東アーネム・ランドのBilmaのような力強さはないものの、Kenbiの響きにフィットする音質なのかもしれません。ペンを持つような指揮棒を持つようなハンドリングしやすい細さ。
偉大なるソングマンJimmy MulukとBobby Laneののレガシーを引き継いだソングマンColin Worunbu Fergusonが作ったMingaをワンセットは今後も直接みなさんに触れてもらいたくて、使用感の出てしまったこのセットをコレクションにしました。
Colin Worunbu Fergusonについてはnote.comに書いたコラム「WANGGAのソングマンColin Worumbu Fergusonとミンガ(クラップスティック)」をご覧ください。」
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【Colin Worunbu Ferguson】
area : |
Wadeye / Belyuen |
wood type : |
Iron wood |
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small : |
29.4cm/413g |
large : |
32.6cm/879g |
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55,000yen |
Jimmy MulkuとBobby Lane LambudjuというWANGGAの巨頭の音楽的継承者Colin Worunbu FergusonによるMinga(クラップスティック)。このMingaから2セット作れそうなドデカく分厚く、重厚でやわらかなサウンド!めちゃくちゃ丁寧に作られていて、シットリと手に馴染むスムーズな表面加工は芸術的な仕上がり!
無塗装で研磨は1000番手くらいまでかけてそうなつるつるに仕上げられています。Earth Tubeでははじめての取り扱いにして、お亡くなりになったので二度と手に入らない作品です。WANGGAの歴史の一部に触れたような気持ちになる逸品です。
Colin Worunbu Fergusonについてはnote.comに書いたコラム「WANGGAのソングマンColin Worumbu Fergusonとミンガ(クラップスティック)」をご覧ください。」 |
【Tengalith William Parmbuk】
area : |
Wadeye |
wood type : |
Iron wood |
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small : |
39.4cm/170g |
large : |
30.2cm/408g |
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147,800yen w/ Kenbi |
斜めにカットされてたり、研磨がすごくラフだったりしますが、Daly Riverエリア特有のシェイプに作られていて、扱いやすい。ドライで軽やかな音質もWANGGAやLIRRGAにフィットしそう。サイン入りで、Murrinh-patha語でおじさんを意味する「Yile」とスマイルマークも書かれたWilliamさんらしいMinga(クラップスティック)。
コーティングなしの無垢のままで、研磨は荒めでサンダーで削った跡が見えます。大きい方裏面にもともと溝があり、そこだけ木工用ボンドが塗られていました。
林靖典のプライベート所有だったWilliamさんの自宅の洗濯機横に置かれていたKenbi「WP-U-2401」とのセット販売です。サンプルサウンド後半はこのミンガとWP-U-2401のカンビのセットで演奏しています。 |
【Dhapa Ganambarr】
area : |
Rorruwuy |
wood type : |
Maypiny(Iron wood) |
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small : |
36.8cm/226g |
large : |
40.6cm/304g |
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多作家でしかも丁寧できれいなイダキを作ることで知られるDhapa Ganambarr作のビルマ。手元が細くシェイプされていて握りやすい形状になっています。表面を番手の細かいサンドペーパーでサンディングしてあって手触りが滑らかです。
太く重いサウンドではなくキンキンとした軽やかな金属音です。強いアタック音が耳に痛いほどの音量で鳴ります。音量がかせげる場所がピンポイントであるので、自然とそこを叩くようになる。辺材を使った見事な作りで木質も硬くてつまっています。ペアーで1kgを切る軽さなのとスッキリ細身なのでディジュリドゥ・バッグに一緒に入れて持ち歩きたい、楽器としてのクオリティが高い逸品。
サンプルサウンド後半は、同じDhapa作のイダキDHA-2302と合わせてみました。音量が大きく響きがシャープなので、このような速く演奏できるイダキにフィットしそう。 |
【Gurruwiwi Family】
area : |
Ngaypinya |
wood type : |
Maypiny(Iron wood) |
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small : |
35.1cm/451g |
large : |
35.2cm/614g |
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イダキ・マスターがご存命の頃に直接オーダーして作ってもらったGurruwiwi一家作のビルマ。ペイントは奥様のDhopiya Yunupinguによるシンプルだがマスターの作るイダキと同じペイントでクール。
細く見えますが3cm(小)と3.7cm(大)の厚みがあるので重厚でドッシリした作りになっています。耳が痛く感じるようなアタックの強さと音量、どこを叩いても平均的に同質なキンキンとした金属音が鳴って扱いやすい。イダキ・マスター作品とセットで使いたいビルマです。
サンプルサウンド後半ではDhapa作のDHA-2203に合わせました。キッズ・イダキ的な軽やかなサウンドのイダキにも合いますし、ディープサウンドにもマッチする心地よいサウンドのビルマです。 |
【Gurruwiwi Family】
area : |
Ngaypinya |
wood type : |
Maypiny(Iron wood) |
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small : |
35.3cm/427g |
large : |
36cm/450g |
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C-GF-2401と同時期にオーダーして作ってもらったビルマ。ペイントが赤黒逆転しているだけで、C-GF-2401とほぼ同じサイズで同じ質感の音です。どこで叩いても叩き方を変えても同質な安定したサウンドで、強弱が付けやすい。
3cm(小)と3.8cm(大)の厚みがあって握りやすい形状です。表面加工も丁寧でシンプルながらも力強いDhopiya Yunupinguのアートもマスター作のイダキを思い起こさせます。イダキ・マスター作品とセットで使いたいビルマです。
ローピッチで昔風な音質のBalku作のイダキBAL-2401と合わせてみました。イダキのピッチが下がると、このビルマのキンキンとした響きとディープなイダキの響きがクッキリ分かれて聞こえます。 |
【Marikuku#2 Wirrpanda】
area : |
Dhuruptjpi |
wood type : |
Maypiny(Iron wood) |
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small : |
30.7cm/292g |
large : |
30.9cm/269g |
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20,000yen |
イダキ職人として知られるMarikuku#2 Wirrpandaの良作。キンキンとした金属音が耳をつんざくような音量で鳴るラウドなビルマです。2本とも同じようなサイズで作られています。一番分厚い所で2cmほど、両端が細くなるような断面が人の目みたいな形に整型されています。1本は柾目、もう1本は板目で、スムーズな表面に仕上げられています。
2本で500gほどという軽く作られているのに音量があって強い金属音で響くので、イダキと一緒に持ち運んで使うのにいいでしょう。部材取りも割れにくい箇所で長く使っていけそうな作品です。
Marikukuによるクラシカルな見た目とサウンドのイダキMW-2202と合わせてみました。ゆったりとしたディープな演奏のイダキに、キンキンとしたビルマの響きが突き抜けるように鳴って気持ちよいバランスです。 |
【Ngongu Ganambarr】
area : |
Rorruwuy |
wood type : |
Maypiny(Iron wood) |
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small : |
22.6cm/191g |
large : |
41.1cm/917g |
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44,000yen |
これぞ北東アーネム・ランドのビルマという美しい台形のシェイプ、1kg近い分厚く大きな左手側と極端に小さく操作性の高い右手側の組み合わせの妙がすばらしいNgongu Ganambarrの逸品です。
叩く場所によって太くやわらかいコンコンとした質感から、キンキンとした高く金属的な質感まで変化の幅が大きい。2本とも芯材で作られていて、大きい方は裏面にのみ細いクラックがあります。小さい方には短いクラックが1本。
Ngonguの作ったビルマの中でも特に美しく、サウンドも力強いので手元に置いていた作品です。形・サイズ・サウンドの揃った名作。
YaliによるハイピッチでスピーディーなイダキYM-2001と合わせてみました。このビルマの軟らかく丸い響きが逆にハイピッチなイダキにフィットするってことが感じられます。 |
【Bibibak Mununggurr】
area : |
Dhalinybuy |
wood type : |
Maypiny(Iron wood) |
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small : |
32.2cm/306g |
large : |
51.1cm/600g |
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25,000yen → 18,000yen |
左手に持つ方のビルマは51.1cmとかなり長めで厚みが2.5cm程度、横幅が4〜5cmほどなのでホールドしやすく重すぎない。小さい節穴があります。右手に持つ方のビルマは短く、丸みを帯びた形で軽いストロークで叩くことができます。カンッと強いアタックをともなったアイアンウッドならではの響きで音量も大きい。2つとも黄色っぽい面と赤っぽい面のツートーンになっていて、芯材と辺材の間の部分が使われているようです。大きいのであぐらをかいて膝の上に大きい方のビルマをのせてたたきながらイダキを演奏するのにもいいでしょう。 |
【Bibibak Mununggurr】
area : |
Dhalinybuy |
wood type : |
Maypiny(Iron wood) |
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small : |
31.2cm/249g |
large : |
38.2cm/337g |
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18,000yen → 12,000yen |
右手に持つビルマは丸くシェイプされていてどの場所でもたたきやすく、持ちやすく、2.5cm以上の厚みがある。大きい方は4.5cmほどの幅で1.7〜1.9cmの厚みでスッと手に馴染むフィット感がある。手元をたたくとカンカンとした硬さと太さの両方を感じさせる素朴さのある音質で、先端の方をたたくとより金属的なキンキンした音質になります。アイアンウッドらしい張りのある音、そして妙にしっくりとくる形状が手に馴染む。 |
【Bibibak Mununggurr】
area : |
Dhalinybuy |
wood type : |
Maypiny(Iron wood) |
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small : |
32.2cm/185g |
large : |
33cm/240g |
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18,000yen → 12,000yen |
両方とも持ち手を細くシェイプしていてかなり握りやすく作られたビルマ。大きい方は広い所で4.5cm、狭い所で3.5cmの幅になっていて、1.5〜2cmの厚みです。小さい方は1.4〜3cmの幅、1.8〜2cmの厚みで三角の形状になっています。硬く強い金属音と強烈なアタック音で、これぞアイアンウッドのビルマという印象の音質です。意図的に細く作られた持ち手は軽く握れて、細かくたたくことができる。 |
【Ngongu Ganambarr】
area : |
Dhalinybuy |
wood type : |
Maypiny(Iron wood) |
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small : |
36cm/399g |
large : |
38.9cm/544g |
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25,000yen |
大きい方が平べったく、小さい方が丸みがあって典型的な北東アーネム・ランドのビルマの形状でリアルな使い心地です。大きい方にはグラインダー痕が残るややラフな仕上がりではあるものの、厚みと形に注力されています。小さい方は丸みをおびたきれいな形に丁寧に作られていて握りやすいです。角を落とした作りがNgonguらしい。音量が大きく、軽くたたいても力強く鳴ります。イダキ職人として名高いNgonguらしさ溢れる作りがすばらしい。彼のイダキと一緒に鳴らしたいNgonguの個性を感じるビルマです。 |
【Ngulwurr Yunupingu】
area : |
Yirrkala |
wood type : |
Maypiny(Iron wood) |
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small : |
30.2cm/256g |
large : |
38.2cm/313g |
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12,000yen |
左手に持つ大きい方はガタガタのラフな仕上がりで、右手に持つ小さい方は丁寧にサンドペーパーがかけられていますが、同じ木材から作ったことがうかがえる赤みの強いアインアンウッドです。それほど重量感のない薄手に作られたビルマですが、軽やかでカンカンした音質がわりに大きな音で鳴ります。平べったい方で叩くとカンカン、角で叩くとキンキンと響きます。ペアで569gと軽く薄手に作られているので持ち運び重視で音も大きいビルマを探している人におすすめです。大きい方に小節あり。 |
【Ngulwurr Yunupingu】
area : |
Yirrkala |
wood type : |
Maypiny(Iron wood) |
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small : |
28cm/224g |
large : |
32.5cm/308g |
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12,000yen |
大抵右手に持つ小さい方は細く丸く作られる傾向が強い中、どちらも平べったい形状で持ち手の部分をより細く作った意図的な形にシェイプされています。小さい方の角で叩く方がハリのある大きな音が鳴りやすく、大きい方の先端付近をたたくとコンコンとした素朴な音色で、上から1/3ほどの所にスイートスポットがあり、そこで叩くとカンカンとキンキンが同時に鳴るアイアンウッドならではの金属的な響きが得られます。小ぶりな大きさで532gと軽量で持ち運びしやすく、シェイプがユニークなペアです。 |
【Ngulwurr Yunupingu】
area : |
Yirrkala |
wood type : |
Maypiny(Iron wood) |
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small : |
39.7cm/314g |
large : |
41.5cm/799g |
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30,000yen |
左手に持つ小さい方が厚みが2〜3cmほどもあって799gでドッシリとしたサイズと重さです。右手に持つ長い方は細く丸い形状にシェイプされていて、動かさない方は重く太く大きく、振り動かす右手の方は扱いやすくするために細く軽く丸くすることでビルマを叩き続けることを楽にし、同時に音量と音質の面で良い鳴らし方ができるようになります。サイズがギガンティックで金物を叩いているかのうような金属音が大きく鳴ります。楽器としての実用性が高く、操作性も高いすばらしいビルマです。 |
【Unknown Yolngu】
area : |
N.E. Arnhem Land |
wood type : |
Maypiny(Iron wood) |
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small : |
29.2cm/334g |
large : |
30.4cm/404g |
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20,000yen |
両方ともが台形のシェイプをしたペア。右手に持って降る方のビルマが台形をしていると叩く向きを変えることで音に変化が起きやすいです。このペアの場合、平たい所で叩くとコンコン、尖った方で叩くとキンキンと鳴ります。サウンドは耳に痛くない心地よい響きで高く鳴り、サウンドクオリティの高い質感になっています。両方とも手元がキュっと細くなっているのでホールド感がかなり良いペアで、手の小さい女性でも握りやすい形状です。北東アーネム・ランドのビルマならではの形状が美しく、スムーズな表面加工にも注力して作られたビルマです。小さい方の両面に小節一つづつ、細いクラックが数本。大きい方の片面にクラック3本。
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【Unknown Yolngu】
area : |
N.E. Arnhem Land |
wood type : |
Maypiny(Iron wood) |
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small : |
23cm/139g |
large : |
31.9cm/493g |
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35,000yen |
平べったい長方形の大きい方は先端が21mmで手元が25mmでどちらの向きにしてもほぼ変わらないサウンドで鳴ります。右手に持つ小さい方は23cmと短く細く19〜23mmの厚みで細い。そのせいか高音でキンキンと強いアタックで硬い金属音がつんざくように激しくでも心地よく鳴ります。アイアンウッドのビルマらしさを強く感じさせる金属感が強烈です。どこを叩いてもいい鳴りのする左手のビルマと、短く軽く速く動かせる右手のビルマという操作性の高い絶妙なペアです。小さく叩いたり大きく叩いたり、強さによって反応が得られるところも楽器としてのクオリテイが高い。小さい方に節が1つあり。コンパクトなサイズながらすばらしいサウンド。
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