今回はアーネムランドの親族組織をとりあげます。彼らの社会では、ある世代に属する特定の人をひとくくりにする「類別的親族名称」を採用しています。 例えば、父と同じ世代に属する父の兄弟は社会的には父であり、兄ないし弟の子供に対しては父と同じ責任と義務を負います。つまり、父はふつう複数いることになります。このことに示されるように、それは私たちにはとても複雑です。彼らを「原始的で遅れた人びと」としたヨーロッパ人の誤解の一部はこれに由来することなどを紹介しながら、できるだけわかりやすくお話しします。
次回Yidaki Vibes Earthではアボリジナルのアートについて造詣の深いDjon Mundine氏による「アーネムランドの美術」についての講議を予定しています。詳細は後日発表予定。