今回の更新には3枚の発掘音源があります。一つはUKのライブラリー物で知られるKPMレーベルから出ていた「Music of Nations」シリーズのvol.5で、このLPのB面にはDavid Blanasiの盟友でありソングマンのDjoli LaiwangaのMagoソロを含む貴重な音源が収録されています。残りは7インチレコードで、ほとんど知られることのなかったいずれもモンド系として発売されたフランス盤とイタリア盤です。収録されている内容の一部にはなりますが、他では聞けない古い音源を聞くことができます。
※ジャケット写真をクリックするとバックジャケット、レーベル面、付属品を見ることができます。
Arnhem Land Popular Classics
LP
38,000yen
- Australia / Wattle Recordings D-5
- condition sleeve: G / disc: VG++
盤にはABそれぞれの面にスレが3箇所づつあります。両面ともに音飛びはありません。全体的にプチプチしたバックグラウンドノイズがあり、A-1/B-1の冒頭でチリチリしたノイズ音が大きめ。時々パチというノイズが入ります。この時期のレコードとしては奇跡的なコンディションです。レコード盤は180g重量盤に近い厚みのあるしっかりしたプレスです。ジャケットはもともとかなり薄手のペラジャケということもありますが、背の部分がボロボロで崩壊するのでノータッチです。左肩は欠損しています。上下にも5cmほどの裂けがあります。
David Blanasiの最古の音源を含む東西アーネム・ランドのさまざまなスタイルのダンスソングを聞くことができる名盤中の名盤。アボリジナル音楽のレコードの中でも最もレアなレコードの一つです。31歳のDavid Blanasiのキレッキレの演奏がA-1、A-7、B-2で聞くことができます。どの曲も口ずさみたくなるメロディーが美しい何度も聞ける内容です。CDで再発されておらず、世界中のイダキヘッズが探している一枚。
A-1 Bungalin-bungalin GUNBORG
A-7 A Goulburn Island Gurula
B-1 Two Da'i BUNGGULS
B-2 Two Bungalin-bungalin GUNBORG
Music of Nations vol.5
LP
6,800yen
- UK KPM 1258 Stereo 1981
- condition sleeve: VG / disc: VG
A面、曲間部分2箇所に1mmほどのキズ、6曲目に2mmほどのキズ、11曲目に1.5mmほどのキズ。B面にはスレが4箇所と3曲目に2mmの傷が3箇所あります。プツプツとしたノイズが全体的に入っています。ジャケットは右側がヨレヨレで5cmほどの破れがあったりダメージ多め。右上にボールペンの小さな落書き。リングウェアあり。
内容がほとんど知られていないKPMのライブラリー音源で、A面はオーストラリアの作曲家によるオーケストレーションです。B面にはなんとDjoli Laiwangaの歌が収録されています!ライナーにはDjoliとGundhuがクレジットされています。まさかのDjoli LaiwangaのMagoソロ(B-7)。おそらくDjoliが歌いGundhuがイダキ演奏をしているYukuwaは北東アーネム・ランドのManikayそのもの(B-11)!二人が別の地域出身でありながらも互いの曲をスイッチしながら演奏しています。ぼくらにとってはB面だけが聞ける内容ですが、かなり特殊で珍しいGunborrk好きにはたまらない内容です。
B-5 Namorrodor song solo Djoli
B-7 Didjeiru solo by Djoli
B-10 Cloud
B-11 Yukuwa
Songs from the Northern Territory vol.1
5LPs set
- Australia Australian Institute of Aboriginal Studies IAS-M-001
- condition sleeve: VG / disc: VG
Macquarie大学図書館の「Master-not for use」とステッカーが貼られたライブラリーからの放出レコード5枚セット販売です。人気のこのシリーズ、なかなかいい状態のものが出てきません。ジャケットにはリングウェア。小傷多数。背に3cmの破れ。左下に折れ。こすれによって色が薄くなっている部分があります。盤面はツヤがあってきれいですが、全体的にうっすらとプチプチとしたノイズが入る。A面2曲目に目視できるキズがあって4回音にブレとノイズが出ます(A-1のサンプル参照)。それ以外はスレやキズはありません。B面1曲目はパチノイズが大きめに入ります(B-1)。
このLPにはMagoソロとKenbiソロが収録されています。Gubalangの圧巻のMagoは安定感があって倍音ミッチリ(A-6b)、Alan NamaによるKenbiソロはきらびやかで心地よい(B-3b)。B-1のDjunggurinは美しいメロディーの唄とMagoの組み合わせがすばらしい。B-7は現地でも定番ソングとして名高いPulikiことBuffalo Songが2バージョン収録されています。
A-1 Wild onion corroboree
A-6b Didjeridu only by Gubalang
B-1 Djunggurin
B-5bDidjeridu only by Alan Nama
B-7 Buffalo songs
Songs from the Northern Territory vol.2
5LPs set
- Australia Australian Institute of Aboriginal Studies IAS-M-002
- condition sleeve: EX / disc: VG+
A面にはスレが1箇所のみ。B面4曲目に1mm以下の小さなプレス時のふくらみが1つ。うっすらとしたスレが3箇所あります。ジャケットにはリングウェア。背に2cmの破れ、左下に折れ。小傷あり。左上にシールの剥がし跡の黄シミ。A面は録音時のものと思われるサァーっというホワイトノイズがうすく入っています。プチプチ音は少なめです。B面はノイズ少なめですが小さくチリチリ音が聞こえます。
NumbulwarとGroote Eylandtの熱をおびたダンサーの声が飛び交う豪州鶴のダンスソングのテンションがすごいA-2は、脈打つようなディジュリドゥの躍動感もすさまじい!Arramaが作ったという新しいブロルガの唄B-1のメロディーはアボリジナル音楽を超えて聞く人の心ゆさぶる。Jimmy Dagdagのマウスサウンドはシンプルながら情報量多く何度聞いても発見があります。
A-2 Brolga Corroboree item10
B-1 Brolga sung by Arrama with Mungayana(didjeridu)
B-3 Didjeridu only
B-5a Feathered Strings sung by Larangana with Mungayana
B-7b Mouth sound
Songs from the Northern Territory vol.3
5LPs set
- Australia Australian Institute of Aboriginal Studies IAS-M-003
- condition sleeve: VG+ / disc: EX-
A面2曲目にプレスの際の1mmほどのポコっとしたふくらみが2つ。スレが一つ。B面1曲目にプレスによる2mmほどのふくらみが1つ。斜めにして見えるうすいスレが2箇所あります。録音時のサァーっというノイズが全体的にあり、時折チリノイズがある程度で良好な盤です。ジャケット左上にシールのはがれ跡の黄色いシミ。左下に折れ。リングウェアと小傷。
このシリーズの中で60年代の北東アーネム・ランドのイダキ演奏が集中的に収録されたLPです。A面前半は本格的なヨォルングの儀式の音楽、間に無伴奏の子供たちの童謡、後半に11才の少年のイダキ演奏を伴奏にしたジャッパンガリが収録されています。B面ではMawalan Marikaの唄(B-1)とイダキソロが聞ける!そしてYothu Yindiのアルバムにも収録されているComicのオールドバージョンを3曲収録されています。
A-1 Mortuary ceremony for the removal of the spirit of the deceased
A-6b Piggy
B-1 East rain
B-3 Didjeridu only played by Mawalan
B-7 Djatpangarri(Comic)
Songs from the Northern Territory vol.4
5LPs set
- Australia Australian Institute of Aboriginal Studies IAS-M-004
- condition sleeve: VG++ / disc: EX
-
A面1曲目に1箇所、3曲目に6箇所、5曲目に1箇所、1mmほどの小さなポコっとしたプレスの際のふくらみがあります(音に影響はありません)。斜めにしてみるとうっすらとスレが2箇所。B面にはスレ2箇所。録音時のサァーっというノイズやや強め。チリチリ音に加え、時折パチっとノイズが入ります。ジャケット左下に折れがあるだけでこのジャケットとしてはかなりきれいな方です。
MilimgimbiとYirrkalaの北東アーネム・ランドと南東アーネム・ランドの島Groote Eylandtの音源です。サウダーヂ感漂う名曲Djatpangarri CoraがA面ラストに収録。B面はすべて1962-63年のGroote Eylandtの録音で、この地での最古の音源と思われる。シェイキーボイスで唄われる呪文のような歌唱とバックビートを中心としたGroote以外では聞かれないYiraga(ディジュリドゥ)演奏を聞くことができます。
A-1e Emu sung by Djawa with Dhalnganda(didjeridu)
A-5b Didjeridu only
A-6b Djatpangarri : Cora
B-3b Night
B-4c Didjeridu only by Nanigila
Songs from the Northern Territory vol.5
5LPs set
- Australia Australian Institute of Aboriginal Studies IAS-M-005
- condition sleeve: VG / disc: EX
A面6曲目後半に3mmほどのスレがあります。B面1曲目にはプレスの際にできた直径2mmほどのポコっとしふくらみがあります。見た目は一度も針を落とした様子のないミントコンディションです。ジャケット背に4cm、底に6cmの破れ、リングウェアあり。左上にシールのはがれ跡の黄色いシミ。このジャケット自体が色落ちしやすいようで全体的に小傷多数。左下に折れあり。
南アーネム・ランドのNumbulwar、Ngukurr、Barungaのディジュリドゥの伴奏のないカルト・ソングを収録。A面は珍しいブーメラン・クラップスティックのソロ演奏からはじまり(A-1)、女性が唄う恋の魔法・魅了の唄Djarada(A-6b)。B面はDarwinの北にあるTiwi島のメロディー豊かなアイランダー・ソング(B-1)。このレコードで唯一ディジュリドゥが聞ける3曲はMilimgimbiのヨォルングが唄う他地域の曲で、特にB-6cのWanggaのメロディーは美しく、他の音源で聞くことができない。そしてこのレコードの最後に収録されているNgukurrの子供たちが唄うクイーンズランドCape Yorkの島唄(B-7)は、ギターをバックに子供たちが唄う合唱です。シンプルなメロディーなのに聞く者の心が震えずにはいられない、音楽の根源的な喜びを空気ごと現地録音で閉じ込めた名曲「Kandju」。
A-1a Boomerang clapsticks sounded by Ganbukbuk
A-1b Djanbaluwa sung by Garadji
A-6b Women's Djarada sung by Wuymalu
B-1a Army Tent
B-6b Songs from Cape Stewart
7 Island Dance
Australie terre de fortune
EP
3,800yen
- France / Villeinot JV11 45rpm
- condition sleeve: VG++ / disc: VG++
45rpmのドーナツ盤。レコードは両面ともスレ多いが音に影響があるキズはありません。ジャケット表面はコーティングジャケットなのできれいな状態で裂けや汚れはありません。裏面左上にボールペンで落書き、右下に「SF」の書込みがあります。
ほとんど知られていないレアな仏盤7インチ。A面はフランス語でしゃべるアボリジナルの神話の物語が収録されていて、B面は「Songs of stars」と名打たれた謎のピロピロシンセ音によるスペーシーサウンドからはじまります。2曲目は中央砂漠のPitjantjara族の唄がクラップスティックなしで少しリバーブが効いた感じでの独唱がめずらしい(B-2)。3曲目は「Igname Corroboree」というタイトルでアーネム・ランドの古いスタイルのGunborrkが収録されていて、他の音源未収録の内容です。シンプルなディジュリドゥの伴奏ですが、「シー、シー」というダンサーの声や叫び声が入った躍動的な音源です。
B-1 Le chant des etoiles
B-2 Incantation totemique
B-3 Corroboree de l'lgname
Trans-Australia Par l'image et le son sur les pistes du monde
EP
5,800yen
-Italy / Tomcat Records Deco1 33rpm mono
- condition sleeve: VG+ / disc: VG
レコードにはスレ多めで、A面に3mmほどのキズありますが音飛びなし。小さなプツプツとしたノイズはあるがクリアーな音で聞けます。A面のレーベルに色鉛筆での落書きがあります。全面コーティングジャケット。表面は底に1cmほどの裂けがあり、一部コーティングがはがれています。裏面下のコーティングはがれあり、ボールペンでの書込みがあります。
かなりレアな伊盤7インチ。盤面には「Trans-Australia 1959-1960」とあるので音源自体はかなり古いようです。A面はTores Strait諸島のアイランダーソングをB面にJambarabunu族(Djambarrpyungu?)のイダキソロ(B-6)とマニカイ。Milimgimbiのヨォルングのクリスチャンソングも収録しています(B-10)。他の音源には入っていないこのレコードだけの音源のようです。短いながらもイダキソロとヨォルングの歌は素敵な演奏をしています。
A-2 O Pul-a-marei - Palm Island
B-6 Didjeridoo - Jambarbunu
B-10 Jinaga bala darbal
Wandjuk Marika in Port Moresby - Didjeridu Solo
EP
- Australia / Larrikin Records LRE 014 1977
- condition sleeve: VG+ / disc: VG++
45rpm。レコードA面にスレ3カ所、B面にスレ2カ所あるが盤面にツヤのあるきれいな状態。7インチとしてはめずらしい見開きジャケットは裂けはないものの日焼けと汚れあり。右角に折れあり。
世界初のディジュリドゥ・ソロだけのレコード。画家・俳優・政治家・音楽家と多彩な才能で世界的に有名になり、写真集も出たWandjuk Marikaのイダキ・ソロ集。A面B面ともにメドレーで途切れることなく次々と伝統曲を演奏しています。単にオールドファッションなだけでなく、落ち着きはらったスーパークールな演奏は見事の一言。何度聞きこんでも、聞く度にハっとするほどのひらめきを感じさせてくる奥深さ。
A Didjeridu solo
B Didjeridu solo