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林 靖典 ポートレート 林 靖典 | ヨォルング語研究者・イダキ奏者

オーストラリア在住ヨォルング語研究者 林靖典の「アーネム・ランド単身赴任」

1. Baman'na Dhuwala!「久しぶり!」

■サンドフライの島ミリンギンビへ

Elcho島で出会った学生
AirNorth 機内。かがまないと前に進めない。

去年の12月にダーウィンに戻ってから、4ヶ月ぶりのミリンギンビ。

今日は4月7日(火)。いつもと同じエアーノースの飛行機で片道1時間15分の空の旅。

雨季がそろそろ終わろうとしているので、雨季の始まった12月と比べると本当に緑々しくて空から見る景色も前回とは全く違って綺麗だ。

景色以外に前回と今回で一番違うのは防虫装備。

去年は自然の治癒力を信じて虫除けと虫刺され薬を何も持たず1ヶ月程すごした結果、足が目も当てれない状態までサンドフライに刺され、バイ菌が繁殖し、結構落ち込むほど悪化してしまった。

なので今回はあるヨォルングから教えてもらった調合薬:ベイビーオイル+Detoll 消毒液のミックスバージョンをダーウィンから持参。

今から10分くらい前に足と手に塗りたくったばかりで、今海岸沿いでこの日記を書いてます。

海岸沿いで書いている理由は夕方現在の時間が一番サンドフライが活動を始めるので、ミックス液が効くかどうかを確かめるにはいい時間帯。

さあどうなる事やら.......

乾季のMilimgimbi
乾季だけどまだまだ緑がきれい。

っという間に5箇所かまれた!

まったく効き目なし!

ということでビーチから切り上げます。

■集まるヨォルング、イダキ、ブングル、そして.......キス?

到着してから思っていたけど、今すごい人数のヨォルングがミリンギンビに集まっている。というのも今週金曜日はキリストの誕生を祝うハッピーフライデー。他のコミュニティーでもフェスティバルが行われるらしいけど、ミリンギンビのものが一番大きいみたいで、中にはアリススプリングスの方からやってくる人もいるらしい。

さらに5月にダーウィンのパーラメントで行われるセレモニーの練習が昨日から始まっていて、夕方から夜までかなり激しく練習していた。強烈なスポットライト1個の下で老若男女集まって歌い、踊り、イダキを吹く。2004年のガーマでも感じたが、やっぱりブングルは夜が似合うと思う。みんなダーウィンでかっこいい姿を見せるために楽しく真剣にやっている様子だった。

砂埃でむせながら歌う人や、砂に足を取られてこけるダンサーとか、なんかワイワイ楽しんでいる。久しぶりにブングル見たので、一曲目は鳥肌たったなあ。

著者近影:イダキを鳴らす
真っ暗の中、皆でイダキ撮影。なにやってんねやろ。

いやあ、かなりカッコよし!それにしても練習に使っていたイダキは長くて細くて、なぜか口が小さくて、めちゃくちゃ難しい。けど上手い人はズッコンバッコン音だ。

中でもいつもフッティーやってる兄弟がイダキ吹いてる所を今まで見たことなかったのに、かなりうまかったなあ。腰らへんの背筋がDith-とかGirri-等の頭音とトゥーツの時にキュッと引き締まる感じ。

イダキが上手くなるこつはフッティーで背筋の下部を鍛えることか? 

ちょうど今、ラミンギニンにいる兄から電話あって、明日か明後日こっちのセレモニー練習に参加する為に対岸から船で渡ってくる様子。彼は踊り手のリーダーでめちゃくちゃ腰が安定していて、他のダンサーとは一線を画すモーションムーブメントの持ち主。

ちなみにイケメンで、去年のクリスマスに彼がパームストンに遊びに来ているときに、嫁と一緒に会いにいった際、嫁は耳にキスされてた。なんか嫁が異常に怖がってるなあと思ってたらそんなことがあったのか.......。

その後嫁が「耳にキスされたんよ!すごい怖かったあ!けど彼の舌、すごいピンク色できれいやったから、まあいいか」。

いい嫁をもらいました。

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