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MUSIC OF AUSTRALIA and MELANESIA メラネシアの音楽
MUSIC OF AUSTRALIA and MELANESIA メラネシアの音楽
NO VICG-5278
Artist/Collecter 小出 光(Recorder)
Media Type CD
Area Mornington島、Torres海峡
Recorded Year 1977-88年
Label JVC
Total Time 45:09
Price 2,550yen
Related Works
A CHANGING CULTURE -Songs from Mornington Island ABORIGINAL SOUND INSTRUMENTS BUDAL LARDIL MORNINGTON ISLAND CORROBOREE SONGS SONGS FROM NORTH QUEENSLAND TRADITIONAL ABORIGINAL MUSIC -Sounds from the Bush
AUSTRALIA-ABORIGINE
1.
Welcome Dance
2.Dance of the Wallaby
3.Dance of the Honey Bee
4.Dance of the Wild Horse
5.Dance of the Black Snake

AUSTRALIA-TORRES STRAIT ISLANDS
6.
Fishers' Dance of Mer Island

VANUATU
7.
Welele
8.Kai Mata

SOLOMON ISLANDS
9.
Drum Pan Pipes
10.Wind Pan Pipes
11.Dance of the Medicine Man
12.Drum Pan Pipes
13.Papa
14.Wind Pan Pipes

PAPUA NEW GUINEA
15.
Manus Dnace
16.Kiwai Dance

NEW CALEDONIA
17.
Dance of the Hunting
18.Spear Dance
19.Bua, War Club Dance
20.Song of the Coconut Crab
おそらくMornington島のディジュリドゥの演奏が5曲収録されている。それ以外にもソロモン諸島、トレス海峡、パプア・ニューギニアなどの音楽が数曲づつ入っている。

■AUSTRALIA-ABORIGINE
■ライナーの抜粋

日本の『JVC World Sounds Special』シリーズの『メラネシアの音楽』は、パプア・ニューギニアで行われた環太平洋のフェスティバル「大平洋芸術祭」での録音と思われ、内容的にはオーストラリア、トレス海峡、ヴァヌアツ共和国、ソロモン諸島、パプア・ニューギニア、ニュー・カレドニアの人々が、パプア・ニューギニアで行ったパフォーマンスのライブ録音が収録されている。

中でも1-5曲のアボリジナルの録音では全てディジュリドゥの伴奏があるが、ライナーではどこの地域か特定していないためオーストラリア内の地域は不明である。しかし、伴奏にブーメラン・クラップスティックを使用している事と、ディジュリドゥのサウンドからMornington島のアボリジナルではないかと推測され、David Hudson氏の演奏する音に似たコールが特徴的である。

6曲目のTorres海峡のMer島の歌は、スキン・ドラムとトエレムと呼ばれる竹筒鼓によるシンプルな伴奏に男女混声のアイランダーらしいほがからな歌で、このCDに収録されている歌の中でも最も秀逸なメロディの歌の一つである。

その他の音源はオーストラリア以外の地域の録音なので、ここではレビューを省くが、中でも15曲目のパプア・ニューギニアのガムラットと呼ばれる木製の太鼓の伴奏を伴なうダンス・ソングはすさまじい。会場が湧いているのがよくわかるすばらしい内容。タヒチの音楽に共通する音楽感覚を感じる。

以下はライナーからの抜粋。オーストラリアの先住民アボリジナルの人々を指す言葉としてライナーではアボリジニーと表記されているため、そのままここに掲載されていることをご了承下さい。

■AUSTRALIA-ABORIGINE
元来「アボリジニー」は「原住民」という意味の一般名詞であるが、現在ではそれだけで「オーストラリア先住民」を指す事が多い。彼等の祖先は4〜5万年前に東南アジア方面から移動したと考えられている。皮膚は黒褐色だがネグロイドではなく、さりとてコーカソイドやモンゴロイドでもない、第4の「オースラロイド」に分類されている。白人と接触した18世紀の時点では人口35万人だったのが、1900年頃には数万人に減り、現在は20万人余となっている。

言語は古くは600語あったが、現在残っているのは200語である。オーストラリア政府は保護定住策をとっているが、これを嫌って今なお採集狩猟の移動生活をしている人々が居たり、他面「祖先伝来の地を白人が侵略し奪った」として権利回復を要求する運動も目立つようになった。

彼等は氏族毎にトカゲ、ワニ、虫、魚などのトーテムを持ちそれを祖先と同一視している。また直接耳目に触れる現実世界とは別に、自然を構成する精霊界の存在を信じ、「ドリーミング」と称しているが、これこそ彼等の精神生活、芸術活動の根幹を成すもので、実際に彼等の絵画には「虹蛇のドリーミング」、「芋のドリーミング」といったタイトルが付けられているし、舞踏では動物の形態を模倣するものが多い。楽器としては、1〜3mの棒を中空にしたディジュリドゥ(Didjeridu)という吹奏共鳴筒と、短い棒やブーメラン(Boomerang)を叩きあわせるものの2種類だけである。前者の吹奏法は唇を緩めて呼気でふるわせ、これを共鳴させるもので、口腔内の空気を押し出しながら鼻から吸う循環呼吸により、切れ目の無い通奏低音ドローンを得る事ができる。ときには吹奏しながら、筒の横をバチで打奏する事があり、この場合一つの楽器が気鳴と体鳴の2つの発音原理で使用される珍しい例となる。最近では地元のロック・グループがこの楽器をとりいれて、オーストラリアならではの不思議なサウンドを醸し出しているのを聴く事がある。

■ライナーの抜粋
AUSTRALIA-ABORIGINE : 1. Welcome Dance2. Dance of the Wallaby3. Dance of the Honey Bee4. Dance of the Wild Horse5. Dance of the Black Snake
AUSTRALIA-TORRES STRAIT ISLANDS : 6. Fishers' Dance of Mer Island
※曲名をクリックするとその曲の解説へ飛びます。

1. Welcome Dance : 歓迎の踊り
足を開き気味に立った6人の男が時折飛び跳ねながら、拡げた両手を飛行機の翼の様に振る動作を繰返す。その背後では女性が4人、花のレイをかかげて上体を揺らせている。全員腰蓑を着け、顔から足まで白い顔料でペインティングを施している。以下アボリジニーの歌の伴奏は全て、吹奏共鳴管ディジェリドゥ(Didjeridu)とブーメランを棒で打奏する事による。

2. Dance of the Wallaby : ワラビーの踊り
小型のカンガルーであるワラビーになった2人が、蹲り軽く握った手を胸のあたりに揃え、ときどき体の向きを変えたりしている。漁師が2人登場し、手にした槍でワラビーを刺し、棒で打ち据えて捕え意気揚々と村へ帰って行く。

3. Dance of the Honey Bee : 蜜蜂の踊り
以下3曲は子供達による踊りであるが、歌と伴奏は2人の大人が担当している。花木に扮した者が両手を枝の様に拡げて立ち、蜂が蜜を求めて周囲を飛び回る。因に「土着の蜂は人を刺さないがヨーロッパ人の持ち込んだ蜂は刺す」とのコメントがあった。

4. Dance of the Wild Horse : 野生馬の踊り
馬に乗って歩いたり跳ねたりする様子を模した踊りである。

5. Dance of the Black Snake : 黒い蛇の踊り
蛇役の3人が両手に草を持ってみをくねらせ、他に2人が槍を持ってこれを探す様子を演ずる。

AUSTRALIA-TORRES STRAIT ISLANDS
6. Fishers' Dance of Mer Island : メール島の漁夫の踊り
オーストラリア北部からニューギニアの間に散在する島々で、住民はアボリジニーと異なり、メラネシア人を基本に東部ではポリネシア人との混血が見られる。生業は漁業が主で、芸能のテーマにも扱われることが多い。楽器は、パプア・ニューギニアのクンドゥと同じ手持ちの細長い片面皮張り太鼓と、太い竹の節間に縦長の隙間を設けて響きを良くした割れ目竹筒鼓トエレム(Thoerem)があるが、気鳴、弦鳴楽器の例は見ない。

砲弾型をした竹製漁具で小魚をすくい獲る様子を舞踏化している。伴奏は長さ1m余の筒型をした片面皮張り太鼓2本、竹製のスリット・ゴング(割れ目竹鼓)1本による膜鳴楽器と体鳴楽器の打楽器アンサンブルである。