Bobby LaneことLambudjuのCD「Rak Badjalarr」に6曲追加した全29曲。彼のメンターBenmele(59年録音)、彼の継承者のWorumbuとYarrowin(2008年録音)まで歴史的に網羅したWANGGAの不朽の名作。
Lambudjuと言うと耳新しいですがBobby Laneと言えばピンと来る人もいるのではないでしょうか?WANGGAのCDの代名詞的なアルバム「Rak Badjalarr」のソングマンがBobby Lane Lambudjuなのです。 2001年にリリースされたCD「Rak Badjalarr」は、メインKenbi(ディジュリドゥ)奏者が故Nicky Jorrockで、彼の演奏がとにかくカッコいいのもあり、Lambudjuの唄のバリエーションの豊富さ、ソングマンとしての技量、そしてフィールドレコーディングならではのダンサーの声や風景音もあいまって至極のアルバムでした。 しかし、初版はブックレットとCDの内容が一致しているのに再プレス版からはなぜかCDのトラックが変更されていてブックレットとマッチしない、一度廃盤になるなどの過程をへて少し残念なアルバムになっていました。 このCD「Lambudju's Wangga」ではCD「Rak Badjalarr」に収録されている23曲に6曲が追加された合計29曲が収録されている。その6曲の内の2曲は2008年の最近のものになっています。この2枚のCDがどう違うのか、音源そのものの内容は6曲増えただけとも言えます。ブックレットの内容はかなり違っています。 1993年に亡くなったBobby Lane Lambudjuというソングマンだけにフォーカスしたのが「Rak Badjalarr」であれば、このCD「Lambudju's Wangga」にはさらに歴史的考察を加えてあるという、異なる視点で音源を再編集、追加してブックレットの内容を別物と考えてもいいほど刷新しています。 Lambudjuの父親とその兄弟達「Alalk、Tjulatj、Aguk Malvak」の3人の偉大なソングマンは、若いLambudjuの前にRusty Benmele Moreenに自分たちの唄を託し、LambudjuはBenmeleと活動を共にしながら彼から学び、Benmeleが亡くなった後は夢に現れる彼から唄を授かったという。そしてLambudjuの唄はColin Worumbu FergusonとRoger Yarrowinへと引き継がれて行く。 このCDはその歴史的過程を感じさせる内容となっており、断続的ではあるものの時系列で唄の経緯を解き明かし、90年代のBelyuenにおける最も偉大なるソングマンLambudjuの唄をコンパイルした名作です。 ※1. このディスクは出版元ではCDと表記されていますが実際はCD-Rです。お手元でバックアップを取っておくことをおすすめします。 ※2. このCDは8枚組(7セットで1つは2枚組)の「Wangga Complete CD set」の一部です。単体での販売はしていません。 |
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