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RG|ディジュリドゥ奏者
Djambawa Marrawili インタビュー

2. Djambawa ライフ・ストーリー / 真なる土地へ

Djambawa Marawlili 一人のアーティストとして一人立ちした時。なんにも知らなかった。学校に上がる頃には、ペンと鉛筆と本くらいしか知らず、60年代にはダーウィンにあるコールミルダ全寮制学校に入学した。

ある日、父さんが小さいテープレコーダーを買ってきた。操作の仕方はだれかに教えてもらったそうだ。以来、父さんはテープに語りかけ、録音して送ってきてくれた。たとえば、「Djambawa、おまえは英語の読み書きと会話を学ぶためにいまそこにいる。けれど、覚えていてくれ。ここにもおまえが学ぶべき何かがあるということを」、こんな風に語りかけてくれた。

スクールホリデイでNumbulwarに戻ってきていたある日、父さんはこういった。

Wakuthi(以下W) : 「テープを受け取ったかい?」

Djambawa(以下D):「あぁ、受け取ったよ。」

W:「おまえをわれらの土地へ連れて行こうと思う。」

アレ?っと思い、すぐこう答えた。

D:「ここにぼくらの土地があるじゃないか。父さん、ぼくらの土地はいま住んでいるここNumbulwarにあるじゃない?」

W:「いやいやいや。いま住んでる場所は、違うクランの違う土地であって、そこには異なるストーリーがあるんだ。」

D:「どうやって行くの?」

W::「カヌーで行くんだよ。」

でね、そこにはカヌーがあったんだ。父さんはカヌーを作っていたんだ、大きいやつをね。家族みんながカヌーで海に出た。Numbulwarを出たら、風はあっちの方角、東から吹いていて南から北に向かっていたから(風の方角が悪くて)、曲がり角から曲がり角へ、あるポイントからあるポイントへ、また違うポイントからべつのポイントへとパドルをこぐしかなかった。

ここに着くまでただひたすらこいだよ。浜辺で休んでいると、父さんは「ここがわれらの土地だよ」と言った。

Blue Mud Bay

D:「ここがぼくらの土地なの?どこに人が住んでるの?住人はどこにいるの?」

実は、われわれがNumbulwarにいたように人々はべつの場所へ、ミッション(※.1)へと連れていかれていた。あの頃、自分自身はGroote Eylandtにいたこともあるし、ときにはYirrkalaにいたこともあった。そして、ここは真なる土地だったんだ。われわれの祖父たちのストーリーがある、われわれの祖先が過ごしてきた真なる土地。でもその時は、人がまったくいないこの場所が自分たちの土地だっていうことを信じることができなかった。

W:「父さんは人がいるかいないかなんて気にしちゃいないよ。われらみんなそんなこと心配しなくていいんだ。(この土地を)お前に見せたいんだ。」

そして、父さんは(Baniyalaの浜辺にある)丘の上へと連れて行ってくれたんだ。サンド・カルチャー(砂の文化)をみせてくれたんだよ。

W:「これがサンド・カルチャーだよ。かつてこの場所に人々が住み、おまえの祖父たちが眠っているんだ。そして、別の違うファミリーもみんなここに埋葬されているんだ。」

D:「でもここには棺桶がないよ。」

W:「いやいやちがうんだ。人が亡くなるとね、ほら、その場所で遺体を乾かし、バラワラもしくはミヤリヤ(両方ともスペル不明)と呼ばれる台の上に置かれる。皮膚はなくなり、血もなくなって、すべてがなくなった時。骨を集めてLarrkitj(※.2)に入れるんだ。」

 


 

【注釈】

※1. ミッション
キリスト教の宣教活動のためにアーネム・ランド内に作られた伝道所。>>戻る

※2. Larrkitj
英語でログ・コフィンと呼ばれる空洞になった木を使ったお棺。イダキのようにシロアリが食べて空洞になった木から作られる。>>戻る

 
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