【失禁寸前!別世界へようこそ】 ジェレミーの運転で寒い大都会シドニーを離れメルボルンを目指した僕たち。まだ日も上っていない時間からスターとしたので、とにかく寒い!!それもそのはず日本は夏まっさかりだが、ここオーストラリアはまさに冬ど真ん中。僕は去年、1年のほとんどを赤道に近いダーウィンで過ごしたので、オーストラリアは暖かい国という先入観があった。冷静に考えてみればシドニーは南極に近いのだから寒くて当たり前。赤道から南極まで感じられるオーストラリアは本当に広いなぁと実感した。
Yirrkalaのアートセンターで長い期間働いていたため、さまざまな状態のトゥルーピーを運転していたジェレミーも「Manymak Bunbun(最高の車)だね!」と太鼓判を押してくれ、すこし気持ちが軽くなるのを感じた。 旅の方はといえば、途中一面真っ白に霜の降りた牧場や、視界5メートル?の濃い霧に包まれながらもなんとか順調に進み、その日の夜には900km離れたメルボルンに到着した。車の調子がよかったという安堵感もあり、ジェレミーが案内してくれたアーティスティックな街、メルボルンの夜に僕らのテンションは上がっていった。ただひとり風邪をひいてグロッキー状態のノンくんを除いては・・。
グアンさんの家はメルボルン郊外の閑静な住宅街にあった。通りには木々が多く、静かで、鳥のさえずりが聞こえてくる美しい所だった。セレクト・ショップやカフェなどの店が立ち並ぶ市街の雰囲気とはずいぶん違う。その中のちょっとクラシックな平屋の玄関を叩くと、前回会った時よりすこし髪の伸びたグアンさんが爽やかな笑顔で迎えてくれた。
「よくきたね!さあ中へどうぞ」 見た目は普通の家。グアンさんも見た目は普通のさわやかな青年。しかし、ここは本当にすごい場所だった。彼に促されて家の中に足を踏み入れると、いきなり度肝を抜かれた!!そこはもうイダキ・ヘッズにとっては失禁寸前のとんでもない世界。玄関から廊下、部屋にいたるまであらゆる所に並ぶイダキ、イダキ、イダキ・・・。何本あるのかなんて数える気にもならないほどの本数だ。 すごいのはイダキだけではない。北東アーネム・ランドのすばらしいアボリジナル・アートからさまざまな装飾を施されたスピアー(槍)、中央砂漠地帯のブーメランやファイティング・スティック(戦闘用の棍棒)、さらには美術館でもなかなかお目にかかれない神聖な儀式で使われる特別なものまでそのコレクションは多岐にわたっていた・・・。 「ちょっとこれは・・・」 「すごすぎる・・・・」 あまりの光景にあっけにとられる僕たちを尻目に楽しそうに話をしているジェレミーとグアン。世界にはとんでもなくすごい人たちがいるものだと、改めて感じた瞬間だった。 |トップへ|
|