【長い1日が終わった】 まるで嵐が通り過ぎたかのような、悪夢のような一日がついに幕を閉じた。 感覚ではもう何日もすぎたような気がするけど、キャサリンを出発したのは今朝なのだ。ココズで簡単な朝ごはんをかきこんでいた時、まさかその日中にキャサリンに帰ってくることになるとは思いもしなかった。しかも飛行機で・・。しかも僕はいま救急病棟のベッドに横たわっているのだ。
僕はなんともいえない不安に駆られ、何度も足や手の指が動くことを確認しながら「大丈夫、大丈夫」と自分を励ましつづけた。 長谷くんやユウジは大丈夫だっただろうか・・。 様々な事に想いをめぐらせながら、不安と痛み、そして疲れから、まるで気を失ったかのように眠った。 翌日の朝、新しいドクターが僕のベッドを訪れ、必要な項目をテキパキと確認していく。 足は動くか、手の指は動くか、背中を押して痛くないか、首の具合は・・などなど。日本なら行われているであろうCTスキャンやMRIなどの特別な医療機器等は一切使われることなく診断は進み、最後にドクターはこう言った。 「よろしい!君は今日退院だ。」 「へっ?」 ドクターはそう告げると、さっさと次の仕事へ行ってしまった。あっけにとられポカーンとしている僕に、ナースがもう一度念を押すように 「よかったわね。あなたは今日退院できるのよ。」と伝えてくれた。 昨日の不安はいったいなんだったのだろうか・・。 病室をでてみると待合室には誰もいなかった。 みんなまだ退院できていないのか・・。
すこしするとのりくんが警察の車に乗って現れ、僕たちは全員の退院を喜びあった。そしてGoriくんが待つココズ・バックパッカーズへ向かった。 |トップへ|
|