【超絶Kenbi奏者、Nicky Jorrok】
【Nicky Jorrockのスーパーサウンドを堪能することができるCD】 下記CDではBlack CockatooことDjoli Laiwangaの貴重な歌声を聞くことができます。
僕らがフェリーから降り立った港、マンドーラ(Mandorah)は『Rak Badjalarr』のライナー・ノーツの中にも登場するBelyuenコミュニティのアボリジナルの人々にとって重要な場所。今は小さなホテルが建ってはいるが、それ以外は一面ブッシュのとても静かなところだ。 港についてすぐ、心の準備もできないまま、いきなりNickyと出会ってしまった僕達。Nickyは僕が想像していたよりも若く、小柄で、とても気さくな人だった。しかもとんでもなくシャイで女の子が通るとうつむいてしまうような、そんな人。こんなことを言うと怒られるかもしれないが、「おちゃめなおじちゃん」ってのが第一印象だった。 僕らはマンドーラの照りつける日差しを避けるため海岸に生えていた小さな木の陰に座り、まずはMitchinが持参していたキリッと冷えたビールでこのすばらしい出会いに乾杯!そのビールのおいしい事といったらなかった。パリパリに乾いた喉をさらさらと流れ込む液体の感覚が手に取るようにわかった。そして僕らの会話は弾み、お互いに最初の固さがほぐれてリラックスしたいい空気がゆらりと流れ始めた頃、ついにNickyがディジュリドゥを手にとった。
「これはバッファロー・ソングだよ。バッファローが川(海)をわたっていくんだ・・・」 この曲はSongs From The Northern Territory1の13曲目に収録されている、僕のもっとも気に入っていた曲のうちの一つだった。 ゆっくりと流れる時間の中でNickyのディジュリドゥとHenryの歌が、海からの風にのって風景にとけこんでいく・・・。言葉も文化もまったく違うけれど、なぜか懐かしい気持ちがこみあげてくる。子守唄を聞いているような気分とでもいったらいいだろうか。彼らの演奏を聴きながら目の前に広がるマンドーラの海を眺めていると、ふと僕もなにかに触れられた、そんな気がした・・・。 |トップへ|
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