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Research 林 Jeremy Loop Roots
ヤス(カラキ ヤスオ)|在豪イダキ奏者
ブラブラ日記 -ついにNicky Jorrockに出会う編 2-

【Mitchinとの再開、そしてNicky Jorrok】

たった20分という短い船旅が終わり、僕らはついに対岸のマンドーラの桟橋へと降り立った。この桟橋はさまざまな色のオーカーで彩られた海岸から海へ突き出すような形で作られている。そのためか風が強い日にこの桟橋に降り立つのはかなりスリリング。大きく揺れる船から足場まで一気にジャンプしなければならない。この日はさほど風もなくすんなりと降り立つことができた。

桟橋の足場はメッシュ状になっていて、下を覗けば透き通った淡いブルーの海に無数の小魚が群れをなして泳でいるのが眺められる。大きな魚が近づくと、小魚の群れが流れるように形を変えていく様はとても面白く、それだけでも飽きずに眺めていられそうだ。

マンドーラの桟橋

これがMandorahの桟橋。風の強い日はスリリングな乗り降りが待っている。

多くのアボリジナルの人や観光客たちにまじって桟橋の階段を上がり、海岸の方に足を向けると、遠くに見覚えのあるオレンジ色の車がとまっているのが見えた。Mitchinの車だ!
僕達は自然と足早になっていた。

「Goodday Mate!(グッダイマイッ!) マンドーラへようこそ!」

MitchinはPine Creekで最初に出会った時と変わらない爽やかな笑顔で僕らを迎えてくれた。

Mitchinとの久しぶりの再会を祝ってガッチリと硬い握手をする。彼の手は厚みがあり、ゴツゴツとしていて職人の力強さを感じさせる。Pine Creek編でも紹介したように、彼はこのあたりのブッシュに住みながらディジュリドゥを作り続けている稀有なオージーなのだ。Pine Creekで彼と別れた後に起こった出来事などを話しながら、海岸の木陰に向かって歩きはじめた。

するとそちらのほうに2人のアボリジナルの男性が座っているのが見えた。

「Hey! Nicky!」

Mitchinが大きな声でその男性を呼び止めると彼はこちらのほうを振り返った。

彼がNicky、Nicky Jorrokその人か!僕はドッシリとした老人を勝手に想像していたのだが、実際の彼は小柄でスマート、そして想像していたよりずっと若かった。

僕らがNickyに自己紹介すると彼は照れたように笑いながら温かく僕らを迎えてくれた。 そしてもう一人のアボリジナルの男性を呼び、こちらに来るように手招きをした。青い作業着にツバつきのキャップがよく似合うその男性の名前はHenry Jorrok。Nickyの兄弟でBelyuenのソングマンでもある。
Nicky Jorrok on the Mandorah Beach

彼がNicky。爽やかな笑顔で僕らを温かく迎え入れてくれた。
(Copy right 2004 Nicky Jorrock)

彼にも一通りの挨拶をし終わるとMitchinがこういってくれた。
「今日は彼らが君たちを歓迎するためコロボリーを開いてくれるといってくれたんだ、ラッキーだね」

なんと彼らは僕らが来ることを聞いてわざわざ集まってくれたらしいのだ。本当にそんな幸せなことがあっていいのだろうか?日本にいたころCDを何度も繰り返し聞きながらその演奏のすばらしさに感動していたころ、まさか本当にこんな日が訪れるとは思っていなかった。僕はすべての必然と偶然、出会いと繋がりに感謝した。

そしてダーウィンの町が見渡せる海岸の小さな木陰で彼らとの小さなコロボリーが始まった・・。

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