8. オーストラリア・デー

オーストラリアでは、1月26日はオーストラリア・デーという建国記念日で祝日になる。毎年各地で建国の祝いが行われ、新しくオーストラリア国民になった移民者に市民権を与える式典がある。同時に、この日にはトーレス海峡島民・アボリジニというオーストラリア先住民によって、サバイバル・コンサートが各地で行われる。

西オーストラリア州パースでは、例年昼過ぎから夕方までサバイバル・コンサートが行われ、その後にオーストラリア・デーを祝う花火大会がある。僕にとっては、今年で10回目のコンサートなのだけれど、2年前から規模が小さくなっているように思う。以前はオーストラリア各地から有名な先住民ミュージシャンやダンス・グループが参加していたのに、現在ではパース以外のグループは、あまり知られていない2-3のグループが来るだけだ。3年前なんかはアフリカのカラハリ砂漠の人たちも招待していたのに。毎年花火大会は予算が増えているのに、サバイバル・コンサートの予算は増えていないように感じる。

コンサートは以前より迫力がなくなったものの、大勢が楽しみにしているのに違いはない。今年は地元のワダンバ・ダンス・グループから始まったが、一番人気があったのはトーレス海峡からのダンサーたちだ。一人の大人を除くと少年少女の構成のこのグループは力強い踊りを見せてくれた。こうしたコンサートを励みにして、次の世代に伝統を継承して行こうとの気持ちが強く伝わってきた。来年のサバイバル・コンサートはどんなものだろうか。今から楽しみにしている。