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Maningrida Music MURLARRA
Murlarra
NO No Number
Artist/Collecter Rembarangga Musicians
Media Type Casstte
Area 北部中央アーネム・ランド
Released Year 1980年代
Label Maningrida Art
Total Time  
Price 非売品
Related Works
Banumbirr Baratjarr Gunborrk Midjang-Kunibidj Arnhem Land  
Unknown Tracks
中央アーネム・ランド東部のRembaranggaの人々のソングサイクル「Murlarra」をまるごと収録した貴重な内容。

ドローンCでトゥーツFというこのカセット・シリーズの中でも最も低い音程のディジュリドゥが使用されており、ゆるいボコボコとしたサウンドのドローンとは対照的なキレのあるトゥーツが飛び抜けてくる。実際これほど抜けた感じでドローンを演奏していてよくこういったスムーズなトゥーツへの移行ができるなぁと思う。録音状態のせいか、ドローンの細かい倍音成分が判別できないのが残念だ。

この「Murlarra」でのディジュリドゥの演奏はより「Banumbirr(Morning Star)」に近い感じで、ゆるやからな長い一息のフレーズが連続的に続いている。またトゥーツからはじまる曲があるのもおもしろい。

完全にユニゾンした二対のクラップスティックを打ち鳴らしながら、二人のソングマンが同じ音程で同じメロディーの歌を歌っている。

2004年にアーネム・ランドの南西部に位置するWugularrコミュニティに訪れた時に、このRembarrnga族のソングサイクル「Murlarra」を演奏していた。なぜか、若者はKunbjorrk(Gunborg)の一つである「Bungalin-Bungalin」ソングサイクルを好み、高齢なWugularrコミュニティのランドオーナーは「Murlarra」を好んでいた。その時に聞いた話だと、「Murlarra」にはきっちりと決まった踊りがあって、「Bungalin-Bungalin」は自由に踊っていいのだと言っていた。

「Mularaはディジュリドゥとクラップスティックの伴奏で歌われ、1曲づつが伴奏なしの叙唱と叫び声で終わる。この聖なる歌は亡くなった人の骨をログ・コフィンと呼ばれる大きな木をくり抜き、聖なるペインティングを施された棺桶に納められるまで続けられる。」

この解説では「Murlarra」とは一体どういうタイプの歌なのかはよくわからない。詳しくは 『Murlarra: a clan song series from central Arnhem Land』(Gregory Anderson著 1992年 University of Sydney)を読んで下さい。