【僕らのヒーローMARCO】 この話を聞いてまじでやばいんちゃうかと感じ、色々救出方法を探したけどことごとくあかんかったことを彼女に伝えました。すると彼女は本気で哀れんでくれて、AANTに相談してくれたのですが、彼女もこの会社の対応に怒りが爆発寸前。結局、マーコと話しをつけてくれて、明日、アデレード・リバーの車修理会社が開いたら救援を頼んでくれるということに。ここまできて「今日中にはだめでもなんとか明日には助けられる」と思うと心の底からホッとして、正直涙が出そうでした。 その白人グループは2人にあげるはずだった飲み物と食べ物をどっさり置いていってくれました。僕はまさか2人がブッシュタッカーだけを食べているとは知らず、アボガドやクラッカー、ジュース、パンなど豪華なものを一人でバクつき、ほっと一息。 ユウジと出口さんが念のためにといって別れ際に100ドルずつ渡してくれたので、バックパッカーにとまることもできましたが、2人のことを思うとさすがに気が引け、とりあえず今日は体ひとつで野宿しようと決めました。 その時点で時刻は6時くらいだったと思います。 あああ、明日まで暇やなあ、ディジュリドゥも持ってきてないし。僕は一人することもなく、ただただハエの行動を先読みしたり、蚊と戦ったりしてぼんやりと時間を過ごしました。 さて、日が落ちて暗くなりはじめると辺りに人は少なくなり、逆に蚊が活発化し始めた頃、野宿する場所を探すためにマーコに挨拶しにいきました。すると「もう少しで店が終わるから、ここで待ってろ」と一言。ナニがおこるんやろ?なんの期待もせえへんまま、昆虫と戯れて待っているとマーコが店を閉め、店の裏側に消えていきました。しばらくすると・・ ブリリリーンン、バルッバルッバルルルル!!!! と凄まじい音がしてバリバリのオージーレースカーみたいな、いかつい車が出てきました。 マーコ:「レッツゴー三匹!」 のり:「えっ?どこに?」 マーコ:「おまえの友達の所だ。」 のり:「えっ?えっ? サッサンキュー、サンキュー!」 彼は僕たちを今日中に助けてくれるつもりだったのです!ホントに嬉すぎて、サンキューしか言えませんでした。マーコは車のメカニックにも明るく、荷台にいろんな機材をつんでいて、彼ならやれるかもしれない!と直感しました。さっそく車に乗り込み、暗闇のブッシュロードへ。 マーコの車の内装はわけのわからんスイッチがいっぱいあって、いわゆるすごい車!そのうえ、彼のドライビング・テクニックは恐ろしく卓越していて、グニャグニャの真っ暗な道を120kmくらいで飛ばす。 僕は対向車が来るたびにまじで縮みあがりました。 そんな僕とは逆に彼はQueenや他のバンドのコンピレーションアルバムに合わせ、鼻歌うたってる。そうか!ここは彼の庭やったんや! 彼の気分を害したりして、ブッシュにほったらかしにされるのは嫌だったので、 「I love Queen!」 そんなこんなで、救出ポイントまであとは直線道のみになったとき、突然彼は「Here we go!」と言ってスピードアップ!メーターは160kmを越えた! たまらない。まじでジェットコースターよりも危ない! やめちくりいいいい・・・・ 気持ちの中で絶叫しながら、僕は現場はここらへんであることを伝えスピードを落としてもらいました。そこから120kmで走ること、数分。遥か彼方に寂しげな焚き火が見えた!真っ暗でヘッドライトだけの為、遠くからでは確認できません。ゆるゆると近づいていき・・そして次の瞬間、ヘッドライトに照らされた二人の顔が暗闇から浮かび上がり、数時間しか離れていなかったのに、何年ぶりかに会う彼女のようにみえました。なんちゃって。 ※そして3人がこの後どうなったのか・・・。詳しくはブラブラ日記の「闇を切り裂いた光の帯」を参照してください。 おわり
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