【キャサリン回想】 前回紹介したオイル・ゲージのトラブルで必死にキャサリンの街を目指した僕たち。 いつ車が止まるかわからないという状況で、フラフラと揺れるゲージに気持ちを翻弄されながら暗闇を走り続けるのは精神的に相当つらかった。遠くにキャサリンの街の明かりが見えた時にはどれだけうれしかったか! 早速、僕たちのキャサリンの「実家」ともいえるココズ・バックパッカーズを目指す。
そんなココさんも僕らの顔を見るとパッと表情が明るくなった。 「おおー! ジャパニーズ! 帰ってきたかー!」 「帰ってきましたがなー。今回はこの車とともにねっ!」 「おおつ! グッド・ブッシュ・カーじゃないか!! 素晴らしい!」 「ムフフ・・最強のブッシュ・カー、トゥルーピーですからねえ。去年とは違いますからねえ。」 僕とGoriくんにとって、ある理由からこの車をココさんに見せられることには特別な喜びがあったのだが、それはあとで説明しよう。
ガラーンとした寂しい庭にでかい車をドーンと止め、よいしょっと荷物を降ろしていると、キッチンの方から聞きなれた日本語ががかるぅーいトーンで聞こえてきた。 「みなさぁ〜ん、長旅おつかれさまでーっす。ウァオ、これが噂のトゥルーピーですか?? デカイですねー。」
その夜、カズくんが作ってくれたおいしい夕食を食べながら、ココさんを交えてシドニーからキャサリンまでの旅の話で大いに盛り上がった。さっきもすこし説明したのだが、僕とGoriくんにとって、ココさんに今回の車を見せられることは特別なことだった。それは僕たちが去年起こした、とんでもない「大事件」があったからなのだ。その時ココさんや管理人のトニーにはとてもよくしてもらった。 実はこの事件を前回のブラブラ日記で書きたかったのだが、時間の都合で書くことができなかった。しかし、この話は「未経験のブッシュに車で乗り込む」ということが、いかに危険を伴う行為かということも含めて、いつか書く必要があると感じていた。 僕はキャサリンの街に無事到着し、再びココさんやみんなと楽しく会話できている・・。この何気ない瞬間がどれほど大切なものかということを、去年の事件で痛いほど心に刻んだ。だからいま書くべきかもしれないな・・。 というわけで今回は「キャサリン回想編」と題して、僕たちの人生観を変えるほど壮絶だった去年の「大事件」について書きたいと思います。 時はちょうど1年前、9月へと遡ります・・・。 |トップへ|
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