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Research 林 Jeremy Loop Roots
ヤス(カラキ ヤスオ)|在豪イダキ奏者
ブラブラ日記 -ミンディルビーチ・マーケット編 9-

【ついにスペシャル・プレーヤー出現?】

のりくんのポテトのカス事件のあと、僕らは怪しいアボリジナルの人にディジュリドゥを貸し出すことに慎重になっていた。 そんな中、また同じような状況がやってきてしまった。

今回はまるで昔の鶴瓶のようなアフロのおじちゃんが声をかけてきた。 この時のりくんは別の場所でバスキングをしていたので、必然的に僕のディジュリドゥが使われることになる。 見た目はいかにも怪しい・・・ポテト事件前なら合格点なのだが・・・(なにをして合格かというのは不明。つまりカン)。僕は当然ためらった。 ポテトのカスが頭をよぎる。 が、「ポテトを食べていなければ大丈夫」というあたりまえすぎる理論?を勇気にかえて、僕はディジュリドゥを差し出した。

そして・・・これがすごかったのだ!

Gori & Charles Bronson

こちらは日本のスペシャル・プレーヤーGORIくんとBelyuenのスペシャル・ソングマン、チャールズ・ブロンソン(ニックネーム)

まさに期待通りの深みのある音、複雑なリズム、うねる舌の動きがわかる。 なんとこの怪しげなアフロのおじちゃんが本当のYidakiプレイヤーだったのである。

ついにミンディルビーチでこんな人に出会ったのだ! 後でこの人に絶対教えてもらおう、そんなことを考えながら僕は彼の口元の動きに意識を集中した。

その時だった!突然ピンク色の物体がうねったかと思うと、僕のYidakiのマウスピースの上を這っていた。

あまりにも突然だったので僕はそれがなにか一瞬わからなかったのだが、よく見るとそれは彼の舌!彼はYidakiのマウスピースを湿らせる目的で舐めまわしていたのだ。

その映像のアバンギャルドだったことといったら・・・。

2回、3回と繰り返されるその行為に、僕の意識が遠のいていったのはいうまでもない・・・。 そして手元に帰ってきたYidakiを手に「ポテトよりはましやん・・・」と自分に言い聞かせる僕がいた・・・。

しかし彼は本当にすごかった。あまりの衝撃に出身地や名前を聞くのを忘れたことがいまでも悔やまれる。次回会うことがあったら絶対教えてもらおう。次は意識を失わないように気をつけないと。

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