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Research 林 Jeremy Loop Roots
ヤス(カラキ ヤスオ)|在豪イダキ奏者
ブラブラ日記 -バルンガ・フェスティバル編 3-

【いざ!Barungaコミュニティへ】

Barungaコミュニティはキャサリンから80kmほど離れた場所に位置している。スチュアート・ハイウェイをアリス・スプリングス方面に走り、50kmほど行ったところに北東アーネムランドYirrkalaまで約650km続くメイン・ロード、セントラルアーネムハイウェイ(Central Arnhem HWY)への入口が現れる。ここを左折し30kmほど走れば右側にBarungaコミュニティが現れるというわけだ。

Wugularrの看板

看板の前で興奮状態ののりくん。これはWalking With Spiritsフェスティバルの帰りに撮影したものだ。

その前に一口メモ。実は左折した地点から8kmほどいけば地図上の境界線があり、そこから先は憧れのアーネム・ランドだったのである!この地域はアーネム・ランドの飛び地のような形になっているのだ。ただどこからがアーネム・ランドなのかはまったくわからず、キャサリンを離れてすぐに広がるブッシュとなんら変わりはない。楽しみにしていたアーネム・ランド入りだったが意外にあっけなかった。つまりこれは地図上で管理するために作られた境界線であり、あまり意味のないものだということを実感した。

そしてもう1つ付け加えると、左折してすぐのところにディジュリドゥ好きを興奮させる一枚の有名な看板が立っている。そしてそこにはこう書かれているのだ。

DIDJERIDU CENTRE Home of Didjeridu Master DAVID BLANASI!

「くーシビレる!」と感じるのは一部のマニアのだけだろうか。 実はこれはBarungaコミュニティより先にあるWugullarrコミュニティの案内看板。 せっかく近くまで行くのだからWugullarrコミュニティにも訪れたいのはやまやまだが、今回のフェスティバルで入ることが許可されているのはBarungaコミュニティのみ。僕がWugularrを訪れることになるのは7月に開催されたWalking With Spiritsフェスティバルがはじめてだった。 その時の話はまた別章で紹介します。

とにかく無事にコミュニティに到着し、早速本日の宿、つまりはキャンプサイト(フェスティバル期間中のみ、指定された範囲内ならどこにキャンプを張ってもいい)を探し始める。暗くなってからではなかなかいい場所が見つからないからだ。比較的静かな空き地に確保し、とりあえずコミュニティ内を歩き回ってみることにする。フェスティバルは明日からということもあり、いまはまだ準備中といった雰囲気だ。

会場にはトイレやシャワーなども確保され、食料や生活用品は町のスーパーマーケットで買うことができる。やっぱり大きなコミュニティだけあるなあという印象だった。

とはいうものの、僕らにはガスコンロなど文明の利器は一切なく、町とは対照的に原始的な生活を余儀なくされる。まずは明るいうちに焚き火のための薪集めからはじめなければ。しかしこれが意外に苦労した。コミュニティ内に薪になるような倒木がほとんどないのだ。考えてみれば至極あたりまえの話で、街中にバタバタと木が倒れていると考えるほうがおかしい。僕はコミュニティに至るまでの道中で薪を集めておくべきだったと後悔した。 とにかくあっというまに燃え尽きそうな枝を大量に集めその場をしのいだ。

今夜の夕食は食パンとタマゴ、そしてメインはというと・・なんとキューカンバー(キュウリ)!ユウジが働いていたファームに寄った時にもらったもので、なんとでかいゴミ袋に2つ分もある。お金のない僕らはフェスティバル中の食事をこれで乗り切ることにしていたのだが、僕はキュウリを使った料理のレパートリーを持ち合わせていなかった。いったい何を作ればいいのか・・困った。とりあえず塩コショウしバターで炒めてタマゴと一緒にサンドイッチにしてみたのだが、すこぶる評判が悪い。

「このやろう!そんなにいやなら食うな!」

結局、生のキューカンバーをそのまま食べることが一番だということになったのだが、焚き火に照らされてみんなでボリボリとキュウリをかじる光景はかなり不気味だった。
Wugularrの看板

夕食の準備は焚き火がないとはじまらない


【ブラブラ生活 & キャンプ情報】

ここで少し話はそれるけれど、ダーウィンに来ることを検討している人にキャンプに関するワンポイントアドバイス。

日本でキャンプ好きだった僕はオーストラリアにコンパクトガスバーナーを2台も持ち込んでいた。じゃあなぜ使わなかったのか?理由は簡単、合うガスボンベがダーウィンに売っていないのである。

出国まえ、オーストラリア人もキャンプは大好きだからガスボンベも簡単に手に入るだろう、こう考えていた僕は甘かった。オーストラリアと日本ではキャンプ用品に対する意識がまったく違っていたのである。その例を挙げてみよう。

オーストラリアのキャンプ

オーストラリアのキャンプスタイルは結構ワイルド。テントを張らない場合も多い。

まずさっきもいったガスコンロ。 日本なら多くのアウトドアショップまたはホームセンターでガスボンベが手に入る。 プリムス、コールマン、キャンピングガス、スノーピークなどなど種類も豊富。 ところがオーストラリアではキャンプ用品のコーナーにそんなちまちましたものはほとんど売っていない。あるのは業務用のでかいガスボンベ!

よく縁日の屋台で使われているアレである。最初にボンベを買いにいった際、こんなもんどうやって使うねん!と思わずつっこんでしまった。ところが彼らはこれを丸ごと車にほりこんでキャンプに向かうのだ。考え方が違う。

次に寝袋。日本ではコンパクトに収納できる寝袋がたくさん売られている。羽毛や化繊など、用途に合わせていろいろ選べる。ではオーストラリアは?というとスワッグというとてつもない代物が登場する。これは畳み一畳ほどもあるマット型寝袋で、昔体育館にあった体操用マットみたいな作りになっている。クルクル巻いて持ち運ぶのだがコンパクトという言葉からは程遠く、抱えあげるほどでかい。これをまたまた車にほりこんでキャンプに向かうのだ。

Garmaフェスティバルに向かう飛行機の荷物持ち込みカウンターで、結構お年を召したおばちゃんが自分の背丈ほどもあるバックパックを背負っていたのにも驚いたのだが、そのおばちゃんがそれと同じ大きさのこのスワッグを抱えてきた時にこの国の恐ろしさを痛感した。

キャンプ用品だけでなくあらゆるものがデカイ国、オーストラリア。日本的感覚を持ち込むと痛い目に合うので気をつけよう。

僕のおすすめは自動車用のガソリンが使えるガソリン・バーナーである。これならオーストラリアでもどこでも燃料が手に入る。ちなみに僕が使っていたのはMSRのシマーライト・インターナショナル。コンパクトだし自動車用のガソリンが使用できるのでとても便利。ただ火力調整が難しく、お米を炊くのに結構苦労した。ただこれもダーウィンではなかなか売っていないので日本から持ち込むことをおすすめする。

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