もしおまえがわたしと一緒に長い長い時をすごしたら、それがわかるようになるだろう。人が亡くなったら、その遺体を二日、あるいは五日、六日に保管するこもある。踊りにはいろんな異なる反応がある。その遺体の儀式のためにそれぞれのクランがやってくる。ヨォルングの世界観におてこれはとても重要なことなんだ。昔とはかなりやり方が変わっている(※.1)昔とはかなりやり方が変わっている。人が亡くなるとそこに出向き、遺体に白と赤の色を塗って、胸元にはクロコダイルやサメなど重要なペインティングを描く。そのデザインとパターンを完全に描き終えると、翌日遺体を台にのせて埋葬する。火葬し、2年が過ぎたら埋葬地に行き、すべての骨を拾い集める。そこでパウワウのような大きな儀式が開かれる。それぞれのクランがやってきて、Larrkitj(ログ・コフィン)と呼ばれる骨の儀式に参加する。そう、Dhanbarr(ログ・コフィン)だよ。
これはずーっとここで行われてきたことだよ。マカッサンの人々と斧を交換して、われわれは斧を手に入れ、Larrkitjを作った。
棺がなかったころは、いいサイズのポールをただ切ってきて、そこにすべての骨を入れていた。一人の遺体の骨だけじゃなくてすべてのクランが骨をもってきた。昔の人はだれかが亡くなると、小さいDhanbarrに入れて保管していた。そう、われらは狩猟採集の民で食べ物をあちこちから集めてきていたから、ヨォルングはあらゆる所に骨を入れたそのDhanbarrを持って行っていたんだ。ある土地からまた別の土地へと歩いてね。彼らはいつか行われるであろう大きな儀式の日までその骨を保管していたんだね。それは30年代か50年代くらいまでのことだ。それが(過去の)Djambawaたち、Marawiliの人々、そしてその父親たちがやってきたことなんだ。もちろん会ったことはないけれど、その(祖父よりも前の)父親たちの名前ももちろん知っている。*****(スペル不明)、********(スペル不明)、とかそういった名前。きわめて重要な名前だから今はだれもそれを使っていない。
 |
みなが持つ全ての骨を集めて、大きな儀式をするんだ。昔の人たちは刻みの入った「レター・スティック(直訳すると手紙の棒)」を使って、このクランからあのクランへ。これは別のクランへ。このレター・スティックをもってあの人たちの所へ行って連れてくるんだよ。ある日、かれらは集まって、それぞれ違う骨をあらゆるところから持ってくる、ヨォルングの骨を。かつては大きな大きな儀式を行ったんだ。
|
すべての骨をひとつのLarrkitjの中に入れる。ことなるたくさんのファミリーが、みなDjambawaの骨と共に一つのポール、ドォポォンギあるいはLarrkitjに埋葬されるんだ。
50年代のある日、軍がはじめてやってきた時にも骨がそこにあったんだ。オールドマンが、わたしの父親Wakuthiがその骨を見せてくれた。そこへ行きすべての骨を見た。たくさんの骨がそこにはあったんだ。ポールとさまざまな骨があった。ポールはそこに横たわっていた。そしてドォポォンギ(ログ・コフィン)は長い時がたってヒビ割れていて、そこから骨がのぞいていた。そして父さんに訪ねたんだ。
D : 「Bapa(父さん)これは何?」
W : 「あれはヨォルングの骨だよ」
D : 「なぜこの中に骨を投げ入れたの」
W : 「ちがうちがう、ここには大きなポールがあったんだ」
大きなLarrkitjがあって、そこにあった骨はみな違う人たちのものだったんだね。
ある日、父さんがBaniyalaにやってきて、すべてのを骨を集めて大地に返すようにとみなに言った。だからすべてを赤い布でくるん巻かなればいけなかった。そうしてすべての骨を砂に返したんだ。その場所のことを**********(スペル不明)と呼んでいる。あそこで小さな小屋を見たか?父さんはそこで(砂に返した)あの人たちのことを思い起こすためにあそこに小屋を建ててはじめたんだ。だから、そこで行われる儀式はメンズ・セレモニーなんだ。
メンズ・セレモニー、そこでは土地について、そして神聖な領域についてたくさんのストーリーを学ばなければいけない。すべてのストーリーを実質的で公に若者へと伝えているんだ。わたしはYolngu(人)が何を意味するのかを理解することができる。それから人々が死んで5年、2年、あるいは3年を過ぎて、われらはまたDhadalalに向かい、共にある。かれらはこの先もDhadalalを作り続けるだろう。DhadalalはMokuy(死者の霊)をあらわしているんだ。
「おまえの(一族の)死者、おまえの父親、あるいはお前の息子のことを覚えておくということなんだ」と言われてきた。昔のBunggul(儀式)はすごく力強いものだったんだよ。とてもとても力強いBunggul。たぶん近頃はそういうことは知らないんだと思うよ。ハハハハハハ。
G : すばらしいストーリーを本当にありがとうございます。
|
 |
ウーン、本当は大きなストーリーなんだけど、ほんの半分しか言うことができない。わたしはLarrkitjを自分自身の目で見た。ここBaniyalaにあったものだけではなくYirrkalaでもね。Yirrkalaの浜辺にもあったんだ。昔のYirrkalaには大きなLarrkitjがあったんだ。そしてそこにはだれかの骨がはいっていたんだ。
|