【Mago職人Frankie Laneの気迫!】
次の日の朝、僕たちは意気揚々とフェスティバル会場があるWugularrコミュニティに向けて出発した。スチュアート・ハイウェイを南に下ると懐かしいあの看板が立つ交差点がある。 Beswick/Wugularr Didjeridu Center Home of Didjeridu Master David Branasi この看板だけは何度みてもテンションがあがる。この交差点を曲がってすこし走れば、もうそこはアーネム・ランドなのだから・・。僕たちは興奮で高鳴る気持ちを抑えながら、両側に広がる低く乾いたブッシュの森の中を一気に走り抜けていった。 比較的平坦で単調な道を走り続けると、不意にアップダウンが現れる場所がある。その場所を過ぎれば目的地はもう目と鼻の先だ。乾いたブッシュの森から、瑞々しい緑の葉をたたえた木が視界に現れ、小川に架かった小さな橋を渡ればそこがWugularrコミュニティ。遠くにポツポツと家や人の影が見える。 僕たちは早速フェスティバルの主催者であるTom E. Louis 通称Tommyの家を訪ねることにした。Tommyは海外で舞台演出を学び、自ら俳優やミュージシャンとして活躍するWugularrコミュニティのヒーロー的存在。コミュニティ内のツアーの手配やイベントの運営などもほとんど彼が取り仕切っている。実際にWalking with Spiritsフェスティバルや、キャサリンの町で乾季のみ開催される「Corroboree」と銘打たれたアボリジナルの歌と踊りのイベント、そして年1回行われるキャサリン・フェスティバルなどもすべて彼がオーガナイズしているのだ。
僕たちは前回の旅でWugularrを訪れた際、FrankieがカットしたものにMickyがペイントするという共同制作という形でMagoを何本か作ってもらっていた。その作品はEarth Tubeのコレクションのページで見ることができる。
FrankieにはNorman Laneという兄弟がいて、彼もすばらしいMago職人らしいのだが、いかんせん酒癖が悪く、思う存分飲むことのできるキャサリンの町へ出て行ったままなかなか帰ってこないらしい。残念なことだ。 握手したり抱き合ったりしながら再会を喜んだあと、彼は「俺の作業場を見てくれ!」と僕たちを家の横の建物へと案内してくれた。去年訪れたときにはなにもなかったその場所に、たくさん転がるディジュリドゥの原木。まだ表皮のついたものから、すでに形を整えたものまでさまざま。その状況から去年より本気でディジュリドゥを製作しているといことがヒシヒシと伝わってきた。これは楽しみだ!!
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