【引きどき】 バスキングも最後が近づき、彼らは酔いがまわりだんだん何を言ってるのかわからなくなってきた。僕らは今までの経験からこういう状態の「引きどき」のようなものを感じていた。 まずGORIくんが「そろそろやな・・・」とつぶやく。 僕も「そろそろやね・・・」と答える。 そして、よし!と立ち上がりかけたとき、近くに座っていたおばちゃんが急に叫びだした。 「エクスキューズミー!サー!!」 やばい!予感的中!これは早急に脱出しなければ、とその場を離れ・・・られない!なんで?なんとそのでかいおばちゃんがすごい力で僕らの腕をがっちりつかんでいたのだ! もうこうなったら逃れるすべはない。「あーあ、もうどうにでもしてくれ」といったあきらめ感が僕のなかで漂った。
「直接彼に頼めばいいじゃないか!」と僕らが言うと 「彼はもういってしまったからどうしようもない。ジャパニーズ・モブは私たちをほっていくっていうの?いっしょにバスキングをした仲間だっていうのに!だったら私たちの宿代を出してちょうだい!」 「へ・・・・?」 理解するのにすこし時間がいるぐらい理不尽な話だった。 そんなのありですか? ここから僕らは延々30分以上もめにもめた。最終的にはガードマンがきて「とにかくこの場を離れなさい」とひとこと。 いや、だから離れたくても離れられなかったんだってば。 結局ガードマンの仲介もあり、僕らは晴れて自由の身になることが出来た。だけど僕らがその場を去ろうとするとおばちゃんはまだ叫んでいた。 「ジャパニィーズ・モブは私たちをほっていくわ!!なんてひどいんだろう!」 そんなおばちゃんの叫び声を背中で聞きながら、僕らは後味の悪いままミンディルビーチを後にした。みなさん、こういう場合の引き時はほんとうに大切です・・・。 |トップへ|
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