LPのみでリリースされたものをオフィシャルCDーR化。西オーストラリア州のRoebourneにディジュリドゥが伝わった証拠としての価値も高いアルバムです。
西オーストラリア州Roebourneにディジュリドゥが伝わって来た事がわかる歴史的な録音の他にも、砂漠地域のドリーミング・トラックについての歌、そしてニューギニアやTorres海峡の島々に色濃く影響を受けたクイーンズランド州Cape York半島の音楽を収録しています。 元来LPで販売された音源を、販売元のSmithsonian Folkways RecordsがオフィシャルCD-R化したものです。このCD-Rには当時のライナーノーツのコピーがついているが、ここで紹介されているジャケットは付属していない。プラスチック・ケースを定形の紙のハコに納めた状態での販売です。御注意下さい。 1955-1960年というかなり古い録音ながら音質はそこそこナイス。ディジュリドゥが入っているのは全41曲中8曲だが、かなり珍しい西オーストラリア州キンバリー地域よりさらに800kmも南西のRoebourneでの録音である。また55年当時はその地域ではディジュリドゥの演奏はみられず、60年になるとWANGGAスタイルのディジュリドゥのCorroboree(カラバリー:アボリジナルの歌と踊りを意味する英語)が行われるようになっていたというディジュリドゥの伝播の証明になっている歴史的価値の高い録音内容になっている。 ディジュリドゥ以外では、クラップスティックやブーメラン・クラップスティックなどの伴奏をともなった「オーストラリア内陸部」のアボリジナル音楽に強い影響を受けた西オーストラリア州の北西部のアボリジナルの音楽の録音に加えて、Cape Yorkのアボリジナルのイニシエーション(通過儀礼)「Bora」の音楽や、オーストラリアとニュー・ギニア間にあるTorres海峡の島民の音楽に影響を受けた「アイランダー・スタイル」のアボリジナルの音楽などが収録されている。 録音者Geoffrey N. O'Grady自身によって詳しくかかれた「序文」と「録音に関する注釈」はかなり濃厚で、末尾には『Songs from the Northern Territory』(CD 1962-63/1996 : AIATSIS)などで知られるAlice M. Moyle博士によって書かれた非常に専門的なアボリジナルの音楽の「音楽学的注釈」は、高度に分析された学術的な文章が掲載されており、下記にその翻訳が紹介されています。 キンバリーの録音を含む音源 ・『ABORIGINAL MUSIC FROM AUSTRALIA』(LP/CD 1959-69 : Philips/UNESCO) ・『ABORIGINAL SOUND INSTRUMENTS』(CD 1963-68/1996 : AIATSIS) ・『THE AUSTRALIAN ABORIGINAL HERITAGE』(2LP 1973 : Australian Society for Education Trough the Arts) ・『AUTHENTIC ABORIGINAL MUSIC -Music from the Wandjina People』(CD 1995 : ARC) ・『BUSHFIRE -Traditonal Aboriginal Music』(CD 1991 : ARC) ・『INSTRUMENTAL MUSIC OF ASIA & PACIFIC Series 3-3』(3 Cassette 1985 : ACCU) ・『SONGS FROM THE KIMBERLEYS』(CD 1968/1996 : AIATSIS) ・『SONGS OF ABORIGINAL AUSTRALIA and TORRES STRAIT』(CD-R from LP 1954-60 : Folkways) |
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