北東アーネム・ランドYirrkalaの長老Galarrwuyと若きイダキ・マエストロMalngayによるGumatjiクラン・ソング。Galarrwuyのはりのある声とMalngayの安定した演奏がすばらしい。
Galarwuy Yunupinguは北東アーネム・ランドのGumatjiクラン(Yirritja半族)の長老で、Yothu Yindi基金のチェアマンである。『SONGS FROM THE NORTHERN TERRITORY 4』(CD 1962-63/1996 : AIATSIS)のトラック6(b)には当時15歳だったGalarrwuyが歌うDjatpangarriを収録、『THE LAND OF THE MORNING STAR』(LP 年代不明 : His Master Voice)のトラック5と6にも少年期のGalarrwuyの透き通るような声が収録されており、少年時代からそのソングマンとしての才能を発揮していた。 アルバム・タイトルのGoburuとは墓、もしくは墓の上に盛られた砂を意味する言葉で、亡くなった人のためにすばらしい墓を作る事をさす。Yidaki(ディジュリドゥ)はMalngay Yunupinguで、安定した演奏と滑らかなトゥーツへの移動と粒のそろった倍音からは、ウマサを感じさせる。EとDあたりの音程のイダキ2本を使用しており、速いプレイでも低音が効いた音がすばらしい。特筆すべき点はトゥーツとドローンの行き来が非常にスムーズで、それが演奏に安定感を与えているという点と、全体として音に派手さはないが一番美しい音の状態にボリュームや圧を抑えたサウンドのコントロール感覚だろう。ロック・バンドYothu Yindiを輩出したGumatjiクランの長老と同じクランの若きイダキ・マエストロによる北東アーネム・ランドらしい洗練された音楽です。 |
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