Ralkurruのオリジナル・ソング「Mamba」はこのシリーズの中でも最も聞きやすく、その伴奏をするYothu Yindiの若きイダキ奏者Narripapa(Nicky)とMalngayの演奏も非常にクール。
Rirratjinguクラン(Dhuwa半族)のソングマンRalkurru Marikaのオリジナル・ソングを含むクラン・ソングに、Gumatjiクラン(Yirritja半族)の二人のイダキ・プレーヤーMalngay & Narripapa(Nicky) Yunupinguの伴奏による非常にポップで聞きやすい内容になっている。この二人の若きイダキ奏者は、ともにロック・バンドYothu Yindiのメンバーで、若いイリチャのイダキ奏者らしい演奏スタイルでディジュリドゥを演奏するリスナーは舌を巻くだろう。 イダキの音は、ロック・グループYothu Yindiを輩出したGumatjiクランのイダキ・プレーヤーらしい軽快でポップなサウンドで、コンテンポラリーなディジュリドゥの演奏を目指す人にも参考になるだろう。トゥーツの軽さに注目したい、うまさの光る演奏である。曲ごとにどちらが演奏しているのかわからないのが残念だ。 一点だけ難をあげれば、トラック44-47にかなりきつめのテンポディレイが効いていて、それがパンされてしまっており、伝統的なアボリジナルの音を求めてこのCDを買う人には、少しつらいかもしれない。しかしながら、このアルバムで最もすばらしいのはRalkurru Marikaの作曲センスとその歌声で、伝統的なアボリジナルの曲に多少抵抗のある人でもサラッと聞けてしまう程の説得力がある。この『Contemporary Master Series』の中でも最も聞きやすいアルバムです。 |
||