北東アーネム・ランドのイダキの演奏とカントリー・ミュージックを融合させたヨォルング初のコンテンポラリー作。土地権問題の警鐘を鳴らした歴史的な作品。
タイトルのGurindjiとは、Gurindji言語グループの人々を指し、彼らはノーザン・テリトリー州のKatherineから約460km南東に位置するKalkaringi(旧Wave Hillステーション)の町を中心としたVictoria Riverエリアに住んでいる。 そしてこの曲を作曲したのはTed Eganという白人カントリー・シンガーで、歌っているのはNorthern Land Councilの前チェアマンとして、そしてヨォルングのソングマンとして有名なGalarrwuy Yunupinguである。しかも、おそらくディジュリドゥの演奏はGalarwuyである。 ジャケットにも描かれているとおり、歌の伴奏はギターとイダキなのである!トゥーツが使われないドローンのみのシンプルな演奏だが、いかにもヨォルングらしい舌の動きによるグルーヴ感がすばらしい。A面の「Gurindji Blues」はイダキとクラップスティックにGalarwuyとVincentの二人が交互に歌っているようだ。 そしてB面の「The Tribal Land」はカントリーの2ビートのギターとイダキの伴奏にGalarwuyの歌だと思われるが、イダキの音程とギターの音程が合っていなくて妙に気持ちがわるい。だがその曲調、音楽的アプローチ、そして歌詞の内容は、後にオーストラリアの音楽シーンに躍り出るYirrkala周辺エリアのYolnguのロック・バンド「Yothu Yindi」の音楽性に通じるものがある。 |
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