近年になってディジュリドゥが使われるようになったMornington島の音源を集めたCD。2本同時に演奏する点がユニークだが、現在は廃盤。
Mornington島は独自の文化を持つCarpentaria湾南部(Groote Eylandtよりもさらに南)にあるクイーンズランド州の島で、複数のディジュリドゥを同時に演奏したりする。近年になってからディジュリドゥが入って来たと言われており、そのサウンドからはより息の流れで作られる響きを感じさせる。はっきりとしたスタイルが確立されていない分、様々な地域のアボリジナルのスタイルを取り入れながらも、オリジナルのリズム、演奏方法をしている点が最も興味深いものになっている。 この島で使われる打楽器は通常のクラップスティックではなく、ブーメラン・クラップスティックが使われている。この楽器は実際に投げたり、狩猟のために使われることはなく、楽器として作られる。ブーメランを両手に()の形に持ち、とんがった両端をぶつけあわせる。最も特徴的なサウンドは「トレモロ効果」ですばやく震わせるように二つのブーメランをこすりあわせて得られるサウンドは様々な曲の局面で具体的なイメージを表現するために巧みに使われているのがこのアルバムを聞くとよくわかる。残念ながら、現在廃盤。 Mornington島に関するその他の音源 ・『A CHANGING CULTURE -Songs from Mornington Island』(Cassette 1975-79/1991 : Social Science Press) ・『ABORIGINAL SOUND INSTRUMENTS』(CD 1963-68/1996 : AIATSIS) ・『BUDAL LARDIL -Songs of Mornington Island』(CD 1998 : Larrikin) ・『MORNINGTON ISLAND CORROBOREE SONGS』(LP 1966 : W&G) ・『SONGS FROM NORTH QUEENSLAND』(Cassette 1966/1988 : AIATSIS) ・『TRADITIONAL ABORIGINAL MUSIC -Sounds from the Bush』(CD 1998 : ARC) |
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