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DJUT DJUT DJANE GOODBYE -Music from Arnhem Land and Christmas Hills
DJUT DJUT DJANE GOODBYE -Music from Arnhem Land and Christmas Hills
NO No Number
Artist/Collecter Raymond Ashley(Didjeridu Player)
Media Type Cassette
Area 中央・北東アーネム・ランド
Recorded Year 1991年
Label David Gulpilil Production
Total Time 28:49
Price 廃盤
Related Works なし
Raminginingのディジュリドゥの名手Raymond AshleyによるGUNBORGとYOLNGUの演奏スタイルの中間的なドローン・サウンドを聞けるレア・カセット。廃盤。

■ライナーの翻訳と解説

1991年の10月にChristmas Hillsで録音された北東アーネム・ランドと中央アーネム・ランドの狭間の北部沿岸部に位置するRaminginingコミュニティの歌を収録している。デビッド・ブラナシと共にダンサーとして世界中をツアーした、また「裸足の1500マイル」など多数の映画に出演する俳優としても有名なアボリジナルDavid Gulpilil氏の自主レーベルからリリースされ、現在廃盤になっている。

タイトルの「Djut Djut Djane(ジュ・ジュ・ジャネと発音される)」とは「さようなら」の意味で、4曲目と6曲目はギターが入った非伝統曲でそれ以外は伝統的なアボリジナルの曲が収録されている。

この地域のディジュリドゥ・マエストロとして知られるRaymond Ashleyが演奏していて、彼はヨォルングのスタイルと中央アーネム・ランドの両方のスタイルを演奏することができるが、ここではヨォルング的なドローンの演奏のみ、もしくは中央アーネム・ランドのGUNBORG的なスタイルで演奏されていて、トゥーツは入らない。ディジュリドゥの音が少し小さいので聞き取りにくいが、タイトな演奏をしている。

下記はカセットのジャケットに書かれている各曲解説の翻訳とそのレビューです。 「上記はライナーの翻訳」という文章からはじまる段落では聴感上の音の響きを中心にそのレビューが掲載されています。レビューの部分で書かれている内容はライナーとは全く関係がありません。また、レビュー部分でなされている言及は推測の域を超えるものではないという事をご了承下さい。

■ライナーの翻訳と解説
SIDE A :1. Strangers2. Poor Boy3. Goodbye Ramingining4. You Rise Up(Sebastian, Sally, Raymond, Martin)
SIDE B :5. Kava Song6. Country Song(Sebastian, Sally and Robbie)
※曲名をクリックするとその曲の解説へ飛びます。

SIDE A :
1. Strangers
見知らぬ人がやってきてドアをノックする。入って来る前に名前を呼ぶ。名前は何?何が欲しい?なんかあげるよという歌。

上記はライナーの翻訳。中央アーネム・ランドのGUNBORGにかなり近いサウンド。高い音程のディジュリドゥを使用しているせいもあるが、かなりタイトな舌の動きが特徴的である。歌もDavid Blanasiの盟友であるソングマンDjoli Laiwangaの感じに近い。

2. Poor Boy
母親と父親、もしくは家族を知らない少年の歌。少年の事を家族は知らない。少年はそこを歩き去りはじめた。互いの事を理解しあわないので、一緒にいることができない。その少年は自分がすべきことを知っている。彼はかわいそうな少年。独りでこの世界を歩んでいかなければいけない。

上記はライナーの翻訳。これもトラック1同様の演奏スタイル。歌がユニゾンする部分が渋い。

3. Goodbye Ramingining
私はここに来る前に、Ramingining(ヨォルング文化圏で、中央アーネム・ランド色も強いコミュニティ)と自分のクランの人々にさよならをつげる。私は離れていく。Raminginingにさようならをつげる。(繰り返し)さようなら我がクランの人々よ、さようなら。

上記はライナーの翻訳。舌の動きがなめらかにすばやくカールバックし、喉の音がきれいに入っている。聞き取りにくいがかなりクールな演奏を聴くことができる。

4. You Rise Up(Sebastian, Sally, Raymond, Martin)
この曲ではアーネム・ランドと南インドの古代のメロディがミックスされていて、その要点としてフランスの象徴派詩人Paul Eluardの詩が歌われている。この曲はDandenong地域とVictoriaのYarra River地域の最初の住人であるWurundjeri, Bunurong, Woeworungの人々にささげられている。

上記はライナーの翻訳。この曲はギターが入ったコンテンポラリーだが、どこかヨーロッパ的な雰囲気がするプログレ・フォークな曲。何気に気持ちいい。

SIDE B :
5. Kava Song ( by Bobby Bunnungurr)
Kavaはポリネシアの低木の根から作られた人を酔わせる飲み物。Kavaを作る時には、ヒモでできたKava Bagが必要になる。基本的に、「Kava Song」はラヴ・ソングで、男性が女性から「Kava Song」を受け取る時に、儀式的に男女はKavaを飲む。その時、男も女も一緒になる。

あたりに座っている少年がいて、人々はKavaは持っていたが、「Kava Song」は持っていなかった。何人かの女の子が持っていってしまっていて、人々は誰がバックを持ってたのかといっている。

上記はライナーの翻訳。ここで演奏されているドローンは、マウス・サウンドでいう「Litumo-」というより「Dituro-」とヨォルングっぽく、すばやい舌の動きで演奏しているように感じる。曲の展開は中央アーネム・ランドのGUNBORGスタイルに近い。

こういうスタイルの演奏が録音されているのはかなり貴重で、この他にRamingining周辺の録音を含んでいるのは、『DIDJERIDOO -The Australian Aboriginal Music』(CD 1969 : PlayaSound)のトラック8がある。

6. Country Song(Sebastian, Sally and Robbie)
北東アーネム・ランドの海岸部を訪れていたMacassanと呼ばれるスラウェシ島の海の民とBobby Bunnungurrの先祖の間で年々とかわされてきた伝統的な別れのあいさつに関わる歌。BobbyとSebastionによって新しくアレンジされ、今ソングマンの言語と英語で今ここで聞くことができる。

上記はライナーの翻訳。この曲はコンテンポラリーで、おだやかな気持ちになるゆったりとしたギターのアルペジオにツインボーカル。