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BUNGGRIDJ-BUNGGRIDJ -Wangga Songs by Alan Maralung・Northern Australia
BUNGGRIDJ-BUNGGRIDJ -Wangga Songs by Alan Maralung・Northern Australia
NO CD SF 40430
Artist/Collecter Alan Maralung(Songman)
Media Type CD
Area Beswick(西南アーネム・ランド)
Recorded Year 1988年
Label Smithsonian Folkways Recordings
Total Time 47:21
Price 2,670 yen
Related Works

ARNHEM LAND POPULAR CLASSICS

 

1.New Song
2.Bushfire
3.Ibis
4.Green Frog
5.Jabiru
6.Brolga
7.Garranan
8.Minmin Light
アーネム・ランド西南部のBeswickのソングマンAlan Maralungが夢の中で精霊から授かった、精霊の言葉で歌うWANGGAソング。44ページの濃厚なブックレット付き。

■WANGGAの解説
■録音の詳細
■Alan Maralungのプロフィール
■歌のレパートリー
■ソング・クリエーション

デビッド・ブラナシの盟友であるGUNBORGスタイルのBeswickコミュニティのソングマンDjoli Laiwangaと双璧をなす1990年に亡くなったBarunga(Beswick)のWANGGAスタイルのソングマンAlan Maralungの歌。『Arnehm Land Popular Classics』(CD-R from LP 1961-62 : Wattle Ethnic Series)のトラック4にも'61年録音のAlan Maralungの歌が収録されている。

ディジュリドゥはC#くらいでかなりディープなサウンド。Alan Maralungの歌が強くフィーチャーされているため、多少ディジュリドゥの音が小さく感じるが、西アーネム・ランドの演奏スタイルらしい、倍音豊かでディープなサウンドでリズミックに演奏しているのがわかる。デビッド・ブラナシのような派手さはないが、堅実なリズムでしっかりとソングマンをフォローしている。

スミソニアン博物館で有名なSumithsonian Folkwaysから44ページの詳しい解説書付きで紙CDカバーという豪華な装填でアカデミックなアプローチで作製されたCDです。曲ごとに内容の解説とリズムの楽譜があり、西アーネム・ランドのWANGGA(おおやけに演奏されるディジュリドゥの伴奏をともなった個人が所有するダンスソング。儀式と儀式以外の両方に使われる。ソングマンの言葉ではWalakaと呼ばれている。)の詳しい解説など、充実したブックレット。

下記は、『Arnehm Land Popular Classics』(CD-R from 1961-62 : Wattle Ethnic Series)の収録をしたLaMont WestによるソングマンAlan Maralungについての興味深い逸話の日本語訳です。

「Maralungは自分自身の一座を持っていたが、1961-62の間めったに演奏することはなく、彼のソング・サイクルは、彼のライバルJolly Laywongaが夢見で得たGUNBORG(Lirrga)スタイルの歌「Bungalin-bungalin」ほどBeswickでは人気がなかった。」

上記からわかるのはBeswickという場所では北西アーネム・ランドやキンバリー地方を中心とするWANGGAと中央アーネム・ランドを中心とするGUNBORGが同居する場所であったという事と、Beswickでは当時GUNBORGスタイルのソング・サイクルの方が人気があったという点である。そういう意味では歴史的価値もさることながら、3大音楽スタイルの内の二つGUNBORGとWANGGAが混在するBeswickのWANGGAが聞けるという希少性の非常に高いアルバムになっている。

Bunggridj-bunggridjとはシジュウカラのような小さな鳥で、この精霊と亡くなったソングマンの精霊がAlan Maralungに歌を与えた。精霊から授かった歌である(表ジャケットのクラップスティックの絵を参照)。下記は44ページにも渡る詳しいライナーで掲載されている「WANGGAの解説」、「録音の詳細」、「Alan Maralungのプロフィール」、「歌のレパートリー」、「ソング・クリエーション」の翻訳です。各曲解説とそのレビューは追って追加いたします。

■WANGGAの解説
WANGGAとは北西オーストラリアのアボリジナルの儀式と儀式以外の両方でおおやけに演奏されるディジュリドゥの伴奏をともなったダンス・ソングで、その歌の権利は作ったソングマン個人に属する。WANGGAスタイルの中心的な地域というのは、Moyle RiverとDaly River周辺、Barunga周辺、東キンバリー地方だが、その演奏は前述の地域以外の北部オーストラリアでも見られる。

WANGGAは通常ディジュリドゥ奏者が演奏している間に一人ないしは二人のソングマンが自らクラップスティックをたたきながら歌われ、その歌はソングマンが夢の中で精霊から得る。時に、精霊の干渉を受けずにソングマンが曲を作る場合もある。つまり、ソングマンとして認められるためには、歌い手は夢の中で精霊から歌を授かるか、自分で作曲する能力がなければいけない。もしくは父親から歌を受け継いでいないといけない。

WANGGAが演奏される儀式の中で最も重要なのは、(男性、女性、そして子供も参加する)割礼の儀式と、死者の持ち物を煙で浄化する儀式である。WANGGAの多目的性というのはその特徴の一つで、最近では半儀式的領域、例えばアート&クラフト・センターや酒の販売を認可されたクラブなど公共施設のオープニングの儀式、大学の卒業の儀式、アート・フェスティバルやエンターテイメントとしての音楽の集いなどで広く演奏される。WANGGAの突出した特徴は劇的なダンス・スタイルで、それがWANGGAを広くひろめたといえる。

ディジュリドゥの伴奏をともなった北部オーストラリアの歌には、WANGGAの他にも主にBUNGGURLとLIRRGA(GUNBORG)の2種類があり、「BUNGGURL(MANIKAIとも呼ばれる)」は中央、北東アーネム・ランドのクラン(言語グループ)に属するソング・シリーズで、「WANGGA」や「LIRRGA(GUNBORG)」とはかなり異なっている。「LIRRGA(GUNBORRGとも呼ばれる)」はWANGGA同様に、個人が所有する歌で、音楽的にもWANGGAと似通っている。WANGGAとLIRRGAはしばしば儀式においてともに演奏されることがある。

WANGGAにおいては、即興演奏はあまり主要な役割を果たさない。この録音のソングマンMaralungの歌では即興的な要素が強いが、即興的要素の集合が北東アーネム・ランドのBUNGGURLを特徴づけているのに対して、一般的には即興が無いというのがWANGGAがBUNGGURLとは異なっている特徴だと結論づける人もいる。(Clunie Ross & Wild 1984, Anderson 1985)この録音のソングマンMaralungが歌詞とメロディを操る手法というのは、いわゆるBUNGGURLにおける即興の基本的手段とは全く異なっている。

Daly/Moyle周辺地域のWANGGAでは、日常の出来事や半神話的出来事を普段話す言葉と密接に関係した言語スタイルで歌詞が表現されている。一方、Maralungの歌の歌詞では実際、日常会話で使われる言葉が使われず、むしろ高い割合で特別なソング・ワードが使われ、リズムを明瞭に連結させるために明らかに意味のない単語が使われている。

■録音の詳細
1988年11月、ソングマンMaralungは自分の最近の歌のレパートリーの中から歌を録音したいと述べた。11月14日に彼の「ナンバー1バンブー・マン(Didjeridu奏者)」であるJack Chadumと共に録音を開始した。Ibis(トキ)、Green Frog(緑色のカエル)、Jabiru(コウノトリ)、そしてBrolga(豪州ヅル)の歌を録音した後に、Maralungは病気になり、録音を続けることができなかった。11月25日に録音が再開され、全ての録音がなされた。この時、Jack Chadumが不在のため、Peter Manaberuがディジュリドゥを演奏し、特にこの録音のためにBarungaから少し離れたNumber 3 Springsという所で新しいディジュリドゥを作った。このCDに収録されているのは、この2度目の録音から集められている。

オリジナルのフィールド録音のテープからこのCDを編集する際、約1/3の曲が除外されている。このCDに収録されているトラックには、せき払いや唾を吐く音が入っているが、除外された録音の大半は、咳き込みの発作などの楽曲以外の音が録音に入ってしまっているからである。一つのテーマのソング・グループごとの収録の割合は、オリジナルの演奏とほぼ同じになるように収録されていて、例えば「Minmin Light」ソングは合計11曲フィールド録音され、その内の5曲をこのCDに収録、「New Song」は合計4曲録音されその内2曲がこのCDに収録されている。説明を要する異質な音がこのCDの録音の中で聞こえるが、それはディジュリドゥ奏者が木の表面を覆って音を良くするために、ディジュリドゥの中に水を吹き流す音であったり、マウスピースのワックス(蜜鑞)を取り除くために、マウスピースを指でたたく音であったり、ディジュリドゥの演奏中にしばしばはっきりと聞こえる鼻で呼吸をする音である。

■Alan Maralungのプロフィール
CDのバックジャケットに写真が載っているAlan Maralungは1925年にMaranboyで生まれ、この録音がされた1990年に63才でBarungaにて亡くなった。彼のMaralungという名前は、Barungaの数km北西に位置するFlyng Fox Creekにある「彼が歌の夢見を得る場所」から取られた。彼は画家として何年も活動してきており、AlanもしくはBarney Painterという名前でも知られている。MaralungはNgalkbon語とJawoyn語の両方を話すBunno(Nabunno)クランの年長者であり、Bunnoクランの土地はBarungaの東側にある。

Maralungは二人の「Wahru(精霊)」から歌を得ていた。一つは一応Shrike Tit(ハシブトモズヒタキ)であるとされている小鳥「Bunggridj-bunggridj」で、もう一つは亡くなったソングマンの霊である。この二つの精霊の関係と彼等の過去の出来事についてはある秘密がある。随分昔に、一人の青年を払い浄めている時に、精霊に出会い、その後いつもというわけではないが、何度となく夢の中に精霊が現れ、彼に歌を授けたという事をMaralungが語っていた。彼が儀式で担った役割におけるMaralungの初期の経歴を推測するのは非常に難しいのだが、当時Victoria River地域のWadamanとDjamindjungの人々と共に割礼の儀式に参加し、演奏していたということが知られている。例えば、1961年にLa Mont Westが自分の録音についてのフィールド記録に、Maralungについての記述がある(下記を参照)。

「Barney Alan Maralungは36才でDalabon(Ngalkbon)語とDjawany(Jawoyn)語を話すシンガーで、Beswick川の西の支流の西にある彼のホーム・キャンプには、彼自身のセミ・プロの一座(パフォーミング・グループ)があり、その踊りの際には、自分で作曲した歌を歌う。彼のライバルのGUNBORG(LIRRGA)のソングマンJolly Laywongaとは違い、Maralungは卓越したダンサーやディジュリドゥ奏者や振り付け師ではない。Maralungは踊りの動きやグループ・パターンを提案することはあっても、Jollyのように自分の音楽に合せて手のこんだソロのダンスを踊ることはなく、彼の一座のグループの振り付けは、その一座の中の一人が行っていた。Alanの元には、高い力量のある2番手のソング・アシスタント達もディジュリドゥ奏者達もどちらも数多くいなかった。」
La Mont West 1961-62:88
また、1962年の1月に行われた録音についてWestは下記のことを記述している。
「Maralungは自分自身の一座を持っていたが、1961-62年の間めったに演奏することはなく、Beswickでは彼のソング・サイクルは、彼のライバルJolly Laywongaが夢見で得たGunborg(Lirrga)スタイルの歌「Bungalin-bungalin」ほど人気がなかった。」
La Mont West 1961-62:108

West氏が1962-63年の間に行ったMaralungの録音のいくつかは、『Arnhem Land Popular Classics』(CD-R from LP 1962-63 : Wattle Ethnic Series)に収録されている。

録音当時、Barunga周辺地域ではWANGGAスタイルの歌を使った儀式は、もう何年も演奏されなくなっていた。Maralungはもはや一座を持つことはなく、彼はしばしば病気のために歌を歌うことができなかった。このCDに収録されている歌は90分も続いたソング・セッションの演奏からの抜粋で、そういった長い演奏というのは当時の彼にはとてもめずらしい出来事だった。彼はソングマンとして積極的に活動をしなくなっていたが、彼の二人の精霊「Bunggridj-bunggridj」と「Balandjirri」から歌を授かり続けていた。録音を行ったMarett氏のMaralungの歌に対する熱中と、Maralungの演奏に向けられた尋常ならざる腕前に対するMarettの賞賛は、近年、Maralungを励まし、元気づけて作曲と演奏をさせたという点で重要な役割を果たしたと言えるだろう。Maralungがコミュニティ内でソングマンとしてもはや活動的ではなかったという事実と、彼の演奏と作曲がノン・アボリジナルのミュージシャンとの相互作用によって励まされたという事実、この二つの事実がMaralungの音楽の重要性を傷つけるものでは決してない。実際、我々はMaralungの歌はオーストラリアのどこでも聞かれるべき最も知的で音楽的に優れた演奏の一つであると考えている。

■歌のレパートリー
ある特定のクランのグループが所有し、(どんなソング・シリーズでも、一組の歌のテーマが、ドリームタイムと呼ばれる太古に伝えられたと言われているので少なくとも理論上は)決まった数の歌のテーマを含んでいる「BUNGGUL(クラン・ソング)」とは違い、一組のWANGGAソングは、特定の時にシンガーのレパートリーにある歌としてのみ定義付けられている。だからシンガーが存命で、新しい歌を授かり、また同時に捨てたりするかぎり、歌の組み合わせは随時変化していく。しかし、一旦シンガーが亡くなると、歌の組み合わせはより決まったものになることがある。

1988年11月にMaralungが録音するのに選んだ歌の範囲は、彼の最近のBunggiridj-bunggridjソング・セットであると見てもいいかもしれない。つまり、このレパートリーだけが彼が知るBunggridj-bunggiridjソングでは無いということである。1986年には、彼が「Old Songs」と呼ぶ一組の1950年代に夢見で得た歌をMarret氏のために歌った。加えて、1962年のWest氏による保管録音から二つ目の自分の「Old Songs」セットをMaralungは確認していた。このような「Old Songs」は今はもう「closed(閉じた)」歌で、その歌を歌うと亡くなった自分の友人達を思い出すので歌うのをやめたのだと語っていた。1986年に彼は私のために「New Songs」の別セットを歌ってくれた、それは彼がJim Jim Creekに住んでいた4、5年前に授かった歌である。

このCDの録音は全て最近5年の間に彼が授かった歌で、それは年代順に次の通りである。

  1. JabiruとBrolga
    1983年か84年頃にJim Jim Creekで授かった歌。この時、Marret氏がいない時に頻繁に歌を授かっていたので、Marret氏はその作曲環境について多くの情報を得られなかった。
  2. GarrananとMinmin Light
    1986年にそれぞれBunggridj-bunggridjスピリットとBalandjirriスピリットから授かった歌。その創作についてのAlan Maralungの話は、下記の「Song Creation」の章で述べられている。これらの歌は両方とも1986年以来、かなりの変化を受けてきている。
  3. Bushfire、Ibis、そしてGreen Frog
    これらの歌はMarett氏がBarungaを離れた1986年の8月〜1988年の5月の間に授かった歌である。作曲状況を確かめることは不可能。
  4. New Song
    このCDの録音のための演奏があった2日の間に授かった歌。下記の「Song Creation」の章で検討されている。

Maralungの演奏では、彼の歌はそれぞれ4つのグループになっている(上記)。概して、最も最近の歌のグループから演奏がはじまり、Jabiru/Brolgaソング・グループがGarranan/Minmin Lightソング・グループの前に歌われるという事を除いて、より古い歌へと続く。そのわけは、MaralungとMarettが初めて出会ったそのすぐ後に授かったMinmin Lightソングで演奏を終えたいというためだと思われる。というのもMinmin LightソングはMarettとMaralung二人の間で何度となく演奏され、論議されてきた歌なので、彼等二人にとって非常に特別な重要性を持つようになったからである。

■ソング・クリエーション
歌を授かる人が研ぎすまされた知覚、もしくは夢見の状態にある時に、しばしば「Spirit」もしくは「Devil」から個人が歌を授かるということが、アボリジナル・ミュージックに関する論文で広く論議されてきた[Elkin 1953: 92-4、A. Moyle 1974: xi、Wild 1987: 109-12、Keogh 1989: 3、そしてR. Moyle 1986: 132-4]。さらにMaralungが「New Song」を授かった時にMarettが近くにおり、彼のフィールド・ノートに下記のように記録されている。

このソング・セッションには新しい歌が含まれており、Alanが言うにはBalandjirriスピリットがまだ彼に伝えていないため、まだ歌の名前が無いのだと言う。前日に私が彼のキャンプで座っている時、その歌の断片を彼が繰返し歌っているのを聞いた。彼は単にメロディーの素材を様々な方法で「sotto voce : ソット・ボーチェ/声を和らげて、ひそやかにという意味の音楽用語」でアレンジしていた。録音をするために二人でNumber Three Springsへと下って行く時に、Alanは今だきちんとした歌にならないと話していたにもかかわらず、その曲が歌いはじめの曲だった。

この録音の「New Song」の冒頭でMaralung自身もこのことについて語っていた。下記はMinmin LightソングとGarrananソングの創作についてのMaralungの話である。

Minmin Light
Minmin Lightは西からやってきた。しかもそれは近寄ってきた。ほらわしは見た。オォわしはこれは「Devil-devil」が近付いてきたのかもしれんなと思った。その時わしは眠っておった。わしが見つめているとBalandjirri(Alanとつながりがある二つの精霊の一つ)が、「おい、眠ってるのか?おまえのキャンプにわたしがやってきてるんだ。Bunggridj-bunggridjと私がきてるぞ」と言い、彼等は私のもとにやってきた。

起きろ」、「こっちへ来い。二人でこれからお前のために歌を歌う。ある歌をお前に歌ってみせるよ」とBalandjirriが言った。そしてBalandjirriと彼の息子であるディジュリドゥ奏者Narolgaがその歌を演奏してみせてくれた。彼はその光を見、そしてその光の後をついて行った。知らせてくれたのはBalandjirriだった。その光があらわれる時、彼はその光の後をついて行った。それは危険なことだった、というのも彼が去ったその同じ場所に他のDebil-debil、つまりMinmin Lightがいたからだ。彼はその時にその歌を得たのだ。確かにそこから得たんだ。

そして彼はわしのもとにやってきて言った「おい、聞け。恐ろしいかもしれんがな。眠っているのか?」。わしは「こっちへ来いよ。ちゃんと見えてるよ」と言った。「このMinimin Lightの歌をおまえに教えなければいかなかったんだ」と彼は言った。そして、わしは「さぁ姿を見せてくれ。こっちへ来て私のために歌ってくれ」と言った。

そうやって彼はこいつを得たんだよ.....おまえさんはこれをなんて名で呼ぶんだい?.....Corroboreeスティック。これはだいたい60cmくらいの長さだったんだ。そこにパッと現れてな。彼は突然これを得たんだよ。彼はあの雲を切り裂いた。それは巨大なこのCorroboreeスティックだったんだ。

あのディジュリドゥ奏者な、彼は座ってた。二人の男がおった。Balandjirriはそのディジュリドゥ奏者のことを「息子」と呼んでおったな。あれは短いディジュリドゥじゃなかった。ありゃー、でかかった。本当に長かった。そして彼はわしのために、ほれそこで吹いてくれたんだよ。

えーと、そして彼はここから帰った。あぁ、彼は帰った。「この歌を失うなよ。」と彼は言い、そしてディジュリドゥ奏者に向かって「おい、それじゃぁ連れてかえるぞ。」と言った。「わかった」とわしが答えると、「バイバイ。その歌を失うなよ。この歌を自分のものにしな。このWANGGAをお前のために歌ったんだ。この歌はお前のだ」と彼は言った。

Garranan
Bunggridj-bunggridjがMukmuk(フクロウ)に出会い、尋ねた「あんたの名前は何だい?」。「俺はMukmuk、Garrananだよ」と彼は答えた。「あぁ、それがあんたの名前なんだね」とBunggridj-bunggridjが言うと、「あぁ、それが俺の名前さ」とフクロウは答えた。「おー、つまり君の名前はMukmukか」とBunggridj-bunggridjが言い、「あぁ、俺の名前はMukmukだよ」とフクロウは答えた。そして、Mukmukは「Garrananって呼んでくれ」と言った。

今じゃ彼はいっつもたずねている、Bunggridj-bunggridjが知ってる。彼はいっつも「あの歌を彼に教えてやろう」って考えてるんだ。

彼は言った「私はBunggridj-bunggridj」。Mukmukは「あぁ、君の名はBunggridj-bunggridjなんだね」と言い、「あぁそうさ。君は歌をもってるかい?」とBunggridj-bunggridjはたずねた。「いいや」とMukmuk。Bunggridj-bunggridj「あぁ、そしたら歌をあげるよ」と言って彼にこの歌をあげたんだ。 [Alanがその歌を歌う] Bunggridj-bunggridjはこの歌をGarrananのために歌ってあげたんだよ。

歌の分析の章と歌詞の解説の章は追って翻訳を追加します。