Gori|ディジュリドゥ奏者
上野哲路インタビュー2 〜Djalu Gurruwiwi Japan Tourについて〜

2. Djalu Gurruwiwi Japan Tourについて

Djalu Playing Yidaki

イダキを吹くDjalu Gurruwiwi。彼独特のイダキのかまえ方がよくわかる。

GORI: 今回Djalu Gurruwiwiを7月に日本に呼ぶことになったのは、どういった経緯で決まったんですか?また、なぜ彼を日本に呼ぼうと思ったんですか?
上野: 2年前のガーマ・フェスティバルで彼の話を聞いた時に、今までDjaluが私にしてくれたことへの恩返しとして何かしたいなぁと考えていました。そして、私ができる事は何だろうって考えた時、「Djaluに日本に来て喜んでもらいたい」と思ったのです。

それまで4年間にわたってDjaluと彼の家族との交流を深めてきたわけですが、彼の年齢を考えても「このタイミングしかない!」と思い、エイっと動き出したわけです。
GORI: 確かに彼と出会った人ってみんな、彼のサウンドやパーソナリティを通じて色んなものを受け取って、それに対して自分は一体どういう事をしたらいいのかを考えますよね。そこで上野さんが考えたのが、彼を日本に呼ぶという事だったんですね。

けれど単に呼ぶといっても、並大抵じゃないでしょ?
上野: そうですね。いつも自分は言い出しっぺなんです。とりあえずみんなに宣言しちゃう。で、あとからプレッシャー受けまくりです(笑)。それでも多くの人たちに助けられてここまで来たと感じることが多く、感謝の気持ちでいっぱいです。
GORI: ファミリーで来日すると聞いていますが、来日メンバーを教えてください。
上野: Djaluとその奥さんのDhopia Yunupingu、妹さんのDhangal Gurruwiwi、ソングマンの兄Gurritjiri Gurruwiwi、そして彼の息子の Winiwini(Larry) Gurruwiwi、そして名ダンサーのSilvester Gurruwiwiです。 このメンバーはドイツでの公演の時と同じメンバーです。
来日メンバーそれぞれのメッセージを動画で見れるページ(※. ディンカム・オージー倶楽部のサイト内のページに飛びます)を作ったので是非そちらも見て下さい。
Gi'kalの風景

現在、Djaluファミリーが住んでいるアウトステーション「Gi'kal」。Yirrkalaから未鋪装のガタガタ道を4WDで3時間ほど走る。

GORI: メンバーに奥さんのDhopiaと妹さんのDhangalの女性二人がいますが、彼女達がこのツアーでする事っていうのはダンス以外で何かありますか?
上野: 奥飛騨(7/5〜7/7)や愛知万博(7/8〜7/10)では、ペイントやカゴ編みのデモンストレーションを予定しています。ただし、当日になってみないとどんなことが行われているわからない部分もありますのでお楽しみに。
Dancing Djalu

Gi'kalのビーチでBilma(クラップスティック)を両手に踊るDjalu。

GORI: 次の質問は関西に住んでいる者として率直な疑問なんですが、今回のツアーは東京公演が7/3に一度、そして名古屋万博への出演、奥飛騨でのワークショップというスケジュールで、関西方面では演奏がないですよね。そういう出演予定になった理由は?
上野: 当初、大阪公演を計画していたのですが、話を進めていく段階で愛知万博への出演が先に決定して、彼らの滞在が2週間という条件になったためにどうしても大阪まで連れて行くことができなかったのです。

今回のツアーで一番気をつけていることは「高齢であるDjaluに決して無理をさせない」ということなので、やむを得ず大阪行きを断念せざるを得なかったのです。 本当に関西方面の方には申し訳ないと思っています。
Gori: そういう経緯があったんですねー。確かに高齢なDjaluにタイトなスケジ ュールで移動と演奏を繰り返させるのは無理がありますよね。その代わりといっては何ですが、特別に大阪で「Djalu Japan Tourのビデオ上映」があるんですよね?
上野: そうですね。来日時の様子をビデオに納めておこうと思いますので、上映会を企画しています。Djalu公演が終わった後の8/21(sun)の「Yidaki Vibes Earth vol.4」でやります。その他の地域でも要望があればやりたいですね。
GORI: ここで観客側の立場にたって、ちょっとリアルな話を思いきって聞きたいんですが、このツアーのチケットって結構高額でそこら辺でみなさん敬遠する部分もあると思うんです。そこらへんはどういう事情で?
上野: 海外から6名のパフォーマーを呼ぶとそれなりに経費がかかります。現在公演費用も含めて700万円近くの予算が必要になってきます。それを一から集めるのは本当に大変です。私は決して公演チケットが高いとは思いません。

通常、彼らに会うためにはオーストラリアのアーネム・ランドへ行かなくてはなりません。もちろんアーネム・ランドはアボリジナル・ランドですから、入るのには許可が必要です。オーストラリアへ高い費用を払ってでも会えるわからないのに、日本で会うチャンスができたのですから。
Baru Tracks

Gi'kalのビーチの砂は粒子が細かい鳴砂です。写真で見えるすじはクロコダイルの通った跡です。

Gori: そんなにお金がかかるんですか!確かにオーストラリアに行って、取得がやたらめんどくさくて時間のかかる許可をとり、日本の国内線よりも高いお金を払ってさらに飛行機に乗って、アーネム・ランド入りする事を考えたら 激安ですね。
上野: 私もチケットの値段などはできるだけ低価格に押さえたつもりです。 それでも5,000円のS席があっという間に売り切れになったことを考えれば、も っと高くてもよかったのかな?と(笑)。でもどうしても満席の会場でDjaluに喜んでもらいたいと願っているので、これでよかったのだと思っています。
Gori: S席は満席という事で、その他にはどういった席が何席づつあるんですか?また一番後ろの席からでもしっかり見れますか?
上野: S席は前から3列のみでその後ろの7割はA席になります。できるだけ近くで見たい人はお早めにA席を押さえて下さい。もちろんB席からでもよく見えると思いますが、少し遠く感じる人もいるかもしれません。いずれにしてもチケットは早めに購入されることをお薦めします。お問合せは電話受付のみで03-3933-5763(午前10時〜午後6時 土日祝休)

(A席3,500円/B席3,000円はまだ空きがあります 2005年5月9日現在)。
Djalu Japan Tour 2005
チケットの予約・ツアーの詳細はディンカム・オージー倶楽部まで