ケアンズの南にあるYarrabahの音源。この地域では現在伝統的にディジュリドゥが演奏されることはない。
この録音の大半は東アーネム・ランドの南にあるNumbulwar(Rose River地域)と、Ngukurr(Roper River地域)、そして南アーネム・ランドのBarunga(Bamyili)で行われた。珍しいTiwi(Bathurst島とMelville島)やDaly Riverなどの録音も収録している。LPで発売されたものの再発盤CDです。 ここに収録されているカルト・ソング(儀式に属する歌)では、基本的にディジュリドゥは伴奏として使われない。クラップスティックか、ブーメランなどとともに歌われる。そのため、このアルバムに収録されているディジュリドゥ・トラックは少ない。この『Songs from the Northern Territory』シリーズでは、クラン・ソング(言語グループに属する歌)を収録したものが、Vol. 2・3・4と3枚あるのに対してカルト・ソングはこのvol.5一枚だけである。それだけ貴重で神聖な題材について歌われているという事なのだ。 ディジュリドゥが収録されているのはトラック12に2曲だけだが、そのトラックはなんと北東アーネム・ランドのMilingimbiの人々が西アーネム・ランドのManingridaで習って来たGUNBORGソングを演奏しており、歌のメロディ、ディジュリドゥのサウンドともにすばらしく、Yolngu(ヨォルング:北東アーネム・ランドの言葉でPeopleをという意味で、この地域の言語圏の人々を指す)の文化圏の人々が、中央アーネム・ランドのGUNBORGを演奏しているという非常に珍しい録音である。 最後の13曲目はディジュリドゥの演奏は入っていないが、「Island Style(Torres海峡の島々から伝わってきたクイーンズランド州の本土のアボリジナルの人々の歌)」のギターと男性リード・ボーカルに加えて、大人数の子供による合唱が収録されており、涙が出そうになるくらい明るく、やさしい気持ちになる名曲です! TIWIの録音を含む音源 ・『DIDJERIDOO -The Australian Aboriginal Music』(CD 1969/1996 : PlayaSound) ・『SONGS FROM THE NORTHERN TERRITORY 5』(CD 1962-63/1996 : AIATSIS) ・『SONGS OF THE TIWI -Traditional Aboriginal Music of Australia』(EP 1978 : Aboriginal Artists Agency) ・『TRADITIONAL ABORIGINAL MUSIC -Sounds from the Bush』(CD 1998 : Larrikin) |
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