Peter Lister|イダキ奏者/ヨォルング文化研究者
Peter Listerのディジュリドゥ・ページ

マカッサンの帆船 - Hati Marege -

Hati Marege wprahu
wprahu 「Hati Marege」の意味は「Heart of Arnhem Land」で、典型的な19世紀のMakassanの「Perahu Padewakang(伝統的な帆船の名称)」につけられた名前です。

「Hati Marege」は、1988年にオーストラリア200年祝賀のために、インドネシアのスラウェシ島の南東部Tana BaruのKanjo船大工によって、接合に金属を全く使わずに伝統的な方法で造られ、13人の乗組員をのせて、Darwinに出帆した。

wprahu wprahu
船体のサイズ  長さ: 14.25m  奥行き: 1.43m  船幅: 4.28m


その他の興味深い資料
(植物名はイタリック表記、Makassarの名称は太文字表記してあります)

「Hati Marege」には、12本の主要な肋材(kilu)と1本のヘソ(poci)がある。タシロマメ(学名:Intsia Bijuga/Makassar名:kayu bayang)から造られる2本のカジ(guling)が取り付けられている。直角に立てられた大帆(sombala tanja )は、竹の三脚帆柱(palajarina)に支えられている。排水ポンプも竹製である! 木製の碇(balangu)は、石の重しをつけている。甲板には、料理に使われる木製の火箱(vdapur)がある。

船首から船尾まで船底に通した中心的な柱、竜骨(kalebiseang)はボルネオ島の鉄木ウリン(学名:Eusideroxylon Zwageri/Makassar名:kayo badoもしくはkayo sappu)で作られている。水線より下の船体の厚板、船尾、船尾材、そして船体のより低い乾舷部分は、Vitex gofassus(kayu kantondeng)、もしくは、 V. pubescens(kayu nanasa)で作られている。元々インドからラオスにかけて原生しており、400-600年前にインドネシアに輸入され、現在自生しているチーク(学名:Tectona grandis/Makassar名:kayu jati)、そしてボルネオ島のマホガニー(学名:Calophyllum inophyllum/Makassar名:kayu pude)が、船体上部の厚板と甲板梁に使われています。

籐、(ココヤシ皮の繊維から作られる)コイアの繊維、麻の繊維、そして酒の醸造にも使われるサトウヤシ(学名:Arenga pinnata)の繊維(ijork)が、帆などに使われるロープ類に使われています。

防水の船室は、ココナツの草ぶき屋根と竹で作られています。

* このようなマカッサンの言葉は、ヨォルングも使っています。同様に、ヨォルングのDhomala(帆)、Goli(はしご)という言葉も元々はそれぞれSombalaGulingというマカサルの言葉だった。