キテレツなイメージ・サウンド集の一部に伝統的なヨォルングの演奏スタイルで10曲程収録されている。
シンセサイザーなどで作られたイメージ・サウンド集の最後の10曲に伝統的なディジュリドゥ・ソロとボーカルとディジュリドゥの演奏が収録されている。元々テレビやラジオなどの放送局用に製作されたようで、一般向きには発売していないらしい。トラック1〜32は、シンセ、リバーブがどっぷりかかった木琴、打楽器やドラム、ブルロアラー、笛、鳥やカエルの声などの自然音などで作製されたかなりキテレツなバックトラックにディジュリドゥが入ったり、アボリジナルの歌が入ったりしている。120BPMに合わせて作られていて、その内容はかなりニュー・エージのりの、サンプリング用のCDという感じで、特におもしろい素材が欲しいDJにはいいかもしれない。
ディジュリドゥの演奏そのものは、北東アーネム・ランドのイダキの演奏スタイルで、演奏者がアボリジナルかノン・アボリジナルかどうかは不明だが、演奏能力は高い。伝統的な曲をそのまま録音しているトラックは聞きごたえがあるが、バックトラックとイダキを合わせているトラックは全く噛み合っていないのが残念である。
かなり奇妙な音楽センスで、実験音楽的な感覚がごく本気にもりこまれており、作った本人の意図とは逆説的に音楽的にはじけた内容になっている。
トラック16-18のブラシを使ったドラム・ソロと自然音やブルロ-ラー、ディジュリドゥとのミックスは異常にやばいセンスを感じる。
トラック22のブルロアラーと木琴にセミの声などをまねる玩具のセットは実験音楽的で、おもしろい。木琴のトラックは、Steve Reichとかが好きな人にも、うけそうな感じで、やってる本人はいたってマジにやってそうだが、より天然でヌケタ感じが逆にたまらない。
トラック33〜42以外のトラックをはじめて聞いた時は驚きと共に笑い転げることは必死なトラックもあり、「なんだこれ」という感じと、良い意味でバッド・テイストがナイスなトラックもあり、アボリジルの音源(?)が入った録音物としては裏番長的なスマイリーな一枚です。単に伝統的なディジュリドゥの音が聞きたい人にはお薦めしませんが、冒険的かつ、実験的なサウンドが好きな人にはディジュリドゥが入っているトラックに関係なく、アルバム全体を楽しめる内容になっています。
特に、北東アーネム・ランドのDjatpangariのCora(Delayed Supply Boat)が曲の頭に収録されているトラック2はブットビの曲展開だが、トラック14には同じCoraの完全な歌、クラップスティック、イダキのセットで収録されており、安心して聞くことができる。
Didjeridu & other instruments
下記のトラックには何らかの形でディジュリドゥのサウンドが入っていますが、様々な楽器の音が実験音楽的に入っているトラックです。
2. Storylines
3. The Awakening
4. Torment
5. On the Wing
8. Noctural Kingdom
9. Ancient Dreaming
18. Reptile Dance(Didjeridu & Drums)
Didjeridu Section 13-14以外はイダキのソロで、北東アーネム・ランドのスタイルで演奏されています。この演奏者がヨォルングか、ノン・ヨォルングなのかは不明ですが、ヨォルングの曲を理解している演奏者である事は間違いない。
13. Earth Chant1(Aboriginal Humming & Didjeirdu)
14. Earth Chant 2(Djatpangarri Cora)
33. Brolga Bird Ballet
34. Cockatoo Dance
35. Morning Star
36. Water
37. Kangaroo
38. Improvisation
39. Devil Song
40. Dawn
41. Pelican 1
42. Pelican 2
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