ヤス(カラキ ヤスオ)|在豪イダキ奏者
ブラブラ日記 -パインクリーク・ゴールドラッシュ・フェスティバル編 1-

【旅人の交差点、キャサリン】

Barungaフェスティバルが終了したあと、ココズ・バックパッカーに戻った僕達は、ユウジの準優勝を祝うパーティで大盛り上がり。ユウジが獲得した賞金100ドルは酒代として見事に使いきった。宵越しの金はもたないというのはこのことか?この時ユウジの準優勝をひとあし先に聞きつけた管理人のトニーがめちゃくちゃうまいビーフシチューを作って待っていてくれたのには感激した。

トニーとハナちゃん

左がトニー。彼の温かさと笑顔が旅人の心を癒してくれる。

彼はとても料理が上手で滞在中もいろいろとご馳走してくれた。彼の優しい人柄や温かい気持ちが旅の孤独やハードな行程に疲れた人たちを癒してくれるのだろう。だからみんなまたココズに帰ってくる。

あくる日にはフェスティバルで出会ったみんなもそれぞれの目的地に向かって旅立ってく。ある人は西へ、ある人は東へ。ここキャサリンの町は各方面へ向かうハイウェイが交差しているため、たくさんの出会いや別れの物語が綴られる旅人の交差点でもあるのだ。

そして僕はPine Creek Gold Rush Festivalの会場でみんなと再会することを約束して一人ダーウィンへ戻った。

それから一週間後、僕はひとりバスに揺られていた。目的地はもちろんPine Creek(以下パインクリーク)!6月25日から3日間開催されるPine Creek Gold Rush Festivalに参加するためだ。


【長距離バスGrey Hound情報】

今回、僕はユウジたちと現地で待ち合わせしていたため、バスに揺られてパインクリークに向かっていたのだ。利用したのはGrey Houndという名前の長距離バス(日本人観光客の間ではグレハンと呼ばれている)。このバスはダーウィンからスチュアート・ハイウェイ沿いの各町を経由してキャサリンへ向かう。その先は西回りでパースや東回りでケアンズ、南下してアリス・スプリングス、さらには大陸を縦断してアデレードやメルボルン、ひいてはシドニーなどあらゆる方面へ向かうことができるバックパッカー御用達の長距離バスである。 詳しくはhttp://www.greyhound.com.au/を参照してください。

しかし今の日本の最新式長距離バスの快適さなどを想像していると痛い目に会うので注意が必要。日本では考えられないぐらいの長距離、長時間乗車するにもかかわらずシートは一昔前の観光バスを思わせる作り。前の席とのスペースも狭く、僕は結構背が高いほう(181cm)なので足があたってつらい。

しかも今回はチケットに書かれた番号の席を確認して愕然とした。なんと隣には「2席必要やろ!」と突っ込みたくなるような横幅のあるオージーがデーンと座っていたのだ。彼の腕はどう見ても僕の席を占領している。周りを見渡すと小柄な人が2人座っている席だってある。なのに「なんでよりによってでかいのを2人も並べるんだ!」と心の中で叫びながら、オーストラリアに来てはじめて感じる窮屈さとひたすら戦った数時間だった。


【無人のフェスティバル会場】

パインクリークはダーウィンとキャサリンの間に位置する町で、ダーウィンから約200km、キャサリンから約100km程度はなれた場所にある小さな町だ。

Gold Rushというフェスティバルの名前からもわかるとおり、過去に金が発見され大変栄えた町らしい。しかし今は当時の栄華を思わせるものはほとんど残っておらず、静かなというよりむしろ寂しさが漂う町だ。埃が風に舞う道路沿いには赤茶色に錆付いた鉄道の線路や機械類が寂しげに点在しており、中心街もどこだかわからないぐらいの大きさ。人通りもまばらだ。

僕が乗るバスがパインクリークの中心街に向かってゆっくりと走っていた時も「ほんまにフェスティバル開催されるの?」というぐらい人が見当たらなかった。このフェスティバルはディジュリドゥ・コンテストも開催される比較的大きなフェスティバルだと聞いていたのだが・・。一瞬Merrepen Artフェスティバルの悪夢がよぎる。その時ふと窓の外を見ると見覚えのある2人が歩いているのが見えた。ユウジとカンチくんだ!

僕はバスから降りるとイダキと荷物をさっさと受け取って彼らのもとへ走った。キャサリンを離れて一週間しか経っていないのにとても長い時間が経過したような気分になるのはオーストラリアの時間の流れがとてもゆったりとしているからだろうか。

彼らが歩いていった方向にすこし行くと見覚えのある4WDが見えた。はなちゃんの車だ!彼らとの久しぶりの再会を喜んだあと、僕は彼らに気になっていたことを聞いてみることにした。

「ところでフェスティバル会場ってどこなん?」
「いや、僕らも気になっていま聞いてきたところなんですけどね・・」
「で、どこやったん?」
「ここらしいんですよ・・」
「え?」

彼らの指差した場所には赤く錆びた遺物が点在する無人の空き地が広がっていた・・。