ヤス(カラキ ヤスオ)|在豪イダキ奏者
ブラブラ日記 番外編「のりくんの孤独なレスキュー奮闘記 2.」-

【非情なAANTオペレーター】

そうこうしている間にも時間は流れ、そろそろもう一度AANTに電話しようと思い、電話ボックスへ。

プルル・・プルル・・プルル・・。なぜか受話器をとってくれない。

もう一度かける。だめ。もう一回。だめ。だめだめだめだめええええ!!

気がつけば指が自動的にAANTの番号を押している!ぐああ!オージートラップ!めげずに何度もチャレンジ!

プルル・・プルル・・プルル・・ガチャ。

ふう、やっととってくれた。さっきとは違うオペレーターだったけど一安心。ところがこのオペレーターがさっきの人とは大違いでした。さっそくさっきの件の回答を聞きだそうと話を切り出したのですが・・

のり:「さっきの会員の件と、クレジットカードの件やねんけどどうなった?」

オペ「ナニソレ?」

のり:「(やばい!話し通ってないやん!)だっ、だから!トモダチがアウトバックでスタックしてて早く助け・・」

オペ:「What?なに?アンタのナマエは?」」

のり:「ヤ・ス・ノ・リ・ハ・ヤ・シ!」

オペ:「What???」

プッチィィィィーーーン!

このとき僕の中のなにかが切れました。ヤスノリハヤシヤスノリハヤシを何度も繰り返し、スペルをいい、そんな無駄な時間にむなしくなる。しかもそんな僕の気持ちを逆撫でするように「あんたの会員番号は?」って聞いてきやがった!もうだめっす!

気が付くと「友達がこんな状況にあるからそんなものいらんやろ!金はあるからいけるわ!」と吐き捨てるようにいっていました。すると彼女も怒ったみたいで、じゃあとりあえず友達はどこにおんねん!と聞いてきた。

のり:「Daly River Rord上でNauyiuというコミュニティの近くや」

オペ:「どこですかソレ?」

のり:「だからアデレード・リバーから西へ120キロくらい行ったところにあるアボリジナルのコミュニティに行く道沿いにおるんや!その町から20キロくらい東地点で今、スタックして、飯も水もなくてやばい状況やねん!」

オペ:「だからソレはどこ?」

のり:「だ!か!ら!Merrepenていう町の近くや!あなた知らんの?!」

オペ:「・・・。プチッ、ツー、ツー、ツー・・」

ウッソ!!マジデ??電話切りやがった!死にかけてる友達を助けるために必死で助けをもとめている人間を見放しやがった。言葉にならなかった・・僕は呆然と電話ボックスの前に立ち尽くす。そのときなんとなく電話ボックスを破壊してやりたい気持ちでした。