2002年にDjaluの息子Winiwini(Larry)が製作し、猛烈に気に入っていたパワフルなイダキ。
2002年当時、DjaluはNhulunbuyの町にイダキ製作用の工房をもっていた。彼の元には、Djaluの娘Selmaの夫Gunanydji Dhurrkayを筆頭に、Djaluの息子のWiniwini、Watjukuの息子Mulmulpaを中心に、ときどきYothu
Yindiのイダキ奏者Gapanbul Yunupinguなど多数の若手イダキ奏者が集まってともに作業をしていた。
当時すでに30代だったGunanydjiは別として、工房に集まっていた20代前半だった若いヨォルングは、より気ままにブッシュの中を遊ぶかのようにイダキを作っていた。そのためか、彼ら自身が「コレは!」と思うようなイダキを作っている様子はあまりなかった。
ただ、Winiwiniがこのイダキを作った時には、作っている最中からテンションが高く、作り終わってからは工房の中で他の人が作業しているのもおかまい無しに吹きまくっていた。そしてみんなGunyangara'(Ski
Beach)に帰る時には、バス停でさえも吹きたおし、「Yo-! Datpirrik Yidaki(このイダキ最高!)」とノリノリだった。
そしてこのイダキを彼からゆずってもらって、お金を渡した時には「これで新しいフットボール・シューズを買ってくるよ」と爽やかに笑っていた.......。ヨォルングらしいエピソード。
音についてはサンプル・サウンドでは伝わりにくいかもしれないが、バケツの水を庭にザーっとまき散らすかのようなフラッシュ感があり、たたみかけるような中音の渦巻くパワーと、トランシーな浮遊感のある高音がすさまじい。それでいてトゲのある音質ではなく、より柔らかでスムーズな音です。
マウスピースからその付近にかけて広い空洞が続くせいか、普通に演奏するとプレッシャーはかなり低く感じるかもしれない。CDなどでWiniwiniの演奏を聞けばよくわかるが、タイトに絞った演奏をすれば、レスポンスが高く、リズミックでスピーディーな演奏が可能になる。
内部の空洞は全体がコの字型というかUの字型というのか、切り餅のような形をしていて空洞が広い。マウスピースをほんの少し、そしてボトムはかなりラフに奥までけずりこまれている。厚みをかなり残して削ってあり、その分重量感がある。
Winiwiniのようなパワフルでリズミック、しかも音の粒がそろった美しいタイトな演奏を目指す人にはこのような楽器がおすすめです。 類似性がある楽器としては
DD-0501が少し近い。