Dj**u'が木をカットした時に稲妻が彼の膝に落ちたという、本物の稲妻のパワー「Baywara
Power」がこもったイダキ。
このイダキはもともとは黄色・黒・赤のバンドとファイル・スネイクが描かれ、「BAYWARA POWER」という文字が書き込まれていた。それを最終的にDj**u'がボトムの部分を少しカットし、一度ペイントをはがして現在のサイズとペイントになっている。今までDj**u'自身がつけた値段の中でも最も高額なイダキという事もこのイダキの持つ逸話の一つだ。
当初このイダキをカットした時、Dj**u'の膝を稲妻が打ち抜き、彼は病院に行くほどの怪我をした。そしてこのイダキが完成した時には、昔Elcho島で聞いたイダキの音を思い出して老女が涙したという。このBaywaraのサウンドを聞いた時、亡くなったイダキ奏者の事を想い起こさせたのかもしれない。
このイダキが作られた経緯そのものがレジェンドだが、とにもかくにも演奏すればこのイダキのすさまじい音量と、稲妻がこもっていると実感できるほどのアグレッシブで激しい音質を聞けば、上記のストーリーも納得できる。明らかに何かが違う。
「F--」という高い音程のドローンでありながら、低音にドッシリとした広がりのある低音がある。そして、中音から高音にかけては、非常にのびやかでツヤのあるきらびやかな倍音が広がる。つまり音域は非常に広い。そのため、まるで低いピッチのイダキを演奏しているような演奏感があり、より重みのある演奏が可能です。
もともと蜜鑞でせばめられた内径3-3.4cmのマウスピースは思った以上に大きく感じ、唇は大きく振動し、唇をがっちりとまとめるのは容易ではない。この楽器で芯のあるサウンドを出そうと思えば、振動をきっちりとコントロールできるだけのパワーと技術が必要だろう。
トゥーツはほぼオクターヴ上という近い距離にありながら、バチっとはじくように演奏しなければ鳴らすのが難しい。トゥーツの音色はやわらかく太いため、長くのばして演奏しても非常に心地よい。
ボトムからトップにむけて70cmほどが広げるように削られており、マウスピースから下へは25cmほどが削られている。木の繊維は多少開き気味だが特にボトム周辺はカッチリとつまっている。厚みは均等に厚目に残してある。
もともと「ジャストE」くらいだったのをカットして短くした理由は不明だが、Dj**u'好みの長さにバッチリと調整されている。Galpuクランの人々が「Baywara」と呼ぶイダキが確かにあり、「サウンドがそうだ」というのは何度か見て来た。しかし、稲妻が木を打ちそこに稲妻のパワーがやどった本物の「Baywara」はこれがはじめてだ。奇跡の1本です。
|